前編は、出来事や感情をあえて整理しすぎず、そのまま季語に重ねて置いていくような並びが印象的でした。説明を抑えている分、句ごとの温度差がそのまま残っていて、読む側に考える余地を渡しているのでは、と思いました。後編では視線が少し外へ開き、文学や歴史と個人的な感情が並走しているのが面白いです。ただ重ねるだけでなく、距離感を保ったまま接続している点が、この連なり全体の芯になっているように感じました。短編でも掌編でもない表現。私にはないものでした。出会えてよかったです。
この言葉がものすごく刺さりました。透明にはならないでも、ありありと目の前にあるわけではないでも、とても悲しいそんな気持ちをこんなに短い言葉で、ストレートにそして、端的に伝えることができるのだとめちゃくちゃ刺さりました。