インタビュー
身ノ程知ラズ
第1話
「今回は今SNSを中心に大バズり中の短編小説家、『身ノ程知ラズ』さんに独占インタビュー!小説のお話はもちろん、プライベートな話題まで根掘り葉掘り聞いちゃいたいと思います!それではご登場していただきましょう!『身ノ程知ラズ』さんです!どうぞ!」
「どーも、よろしくお願いします」
「普段は声も顔も出されていないということですが、今回は特別に顔にお面をつけてのご登場ということで。今つけていらっしゃるのは大仏?のお面なんでしょうか?」
「そうですね、今僕は実家に住んでるんですけど探してたら出てきたんでそのままつけてきました」
「そうなんですね~。では早速聞いていきたいんですが、今ご職業って何されているんですか?」
「大学生ですね、今は3回生の冬休みです。就活とかしないとそろそろヤバいんですが最近はずっと引きこもって執筆をするかダラダラしてます笑」
「すいません、正直に言っちゃうんですけどそれって結構マズくないですか?」
「まぁ、なんとかなるやろって思ってます。本当はしたくないんですが、最悪の場合書籍化するなりして小説家として生きていこうかなって思ってます。」
「そこについてお聞きしたいんですけど、書籍化したくない理由とかってありますか?」
「なんか金の匂いがするコンテンツってすぐ離れられるって勝手に思ってるんですよーどっかのワニみたいに笑、僕はお金ももちろん大事ですけど、僕の作品を皆さんに見てほしいって思いが強いんですよ。自己顕示欲というか承認欲求というか。だからこそ無料で見れるサイトで投稿し続けているってのはあります。」
「なるほど、飽きずに長く見てほしいという思いがあるんですね~。それでは続いての質問なんですが、代表作『好きな人』が三十万いいねだったりフォロワーが一気に十万人も増加したりと今ノリに乗っている身ノ程知ラズさんですが、SNSでここまでバズった要因ってご自身なりに何だと思いますか?」
「流行りに乗ることですかね。最近youtubeのshortとかで二人とか三人組でやるショートコントみたいな動画見かけたりしませんか?」
「あぁー私もよくそういうの見ますよ」
「本当ですか、なら話が早いんですが僕の書いてる小説って極論そういうのと同じなんですよ。叙述トリックと言いますか、ちっちゃめのどんでん返し的な展開が僕も好きなんで。できるだけそういった展開になるようにしています。最初の頃は『流行りに乗って売れたりバズったりするのはダサい』なんて思ってたりしたんですが結局は流行りに乗っかっちゃえばあとは簡単にバズれるんですよね。こんなこというのあんまりよくないんですけど笑」
「確かに、まずは流行りに乗っかることがバズりへの第一歩なのかもしれませんね~。さぁ続いての質問なんですが、小説を書くにあたって何か意識していることはありますか?」
「そうですね~ぶっちゃけ言うと無いんですよね~笑 別に僕はプロの作家でもないですし文章構成とかを理解して書いているわけでもないんでこれといったこだわりもないんですけど、強いて言うならオチを決めずに書くってことですかね~。なんか適当に思いついたテーマで書き始めてみて、途中でいい感じのオチが思いついたらそれに向けて今までの文章を整合性が取れるように書き直してみたり、思いつかなかったらボツですね笑」
「そうなんですか・・・」
「どうかされました?」
「この話のオチは決めているんですか?」
「は?この話?何の話をしているんですか?」
「とぼけないでください、あなた作者ですよね?私があなたにインタビューするだけの話、誰が読みたいんですか」
「すいません、本当に意味が分かりません」
「だーかーら、あなたの発言はもちろん、今までの私の言動もあなたが考えて書いたものでしょう?何が大学三回生ですか、あなたまだ一回生で就活どころか単位もろくに取れてないじゃないですか。そんなことはどうでもいいんです、この話のオチはどうするんですか」
「いや、正直もう終わりたいんですが」
「え?まさか作品に作者という概念が出てきて終わる『メタ的なオチ』で終わろうとしてるんですか?どんだけ擦られてきたと思ってるんですかそういうオチ、流行りはとっくに終わってますよ、乗れてないですよ」
「そんなこと言われても…」
「『そんなこと言われても…』じゃないですよ。さっさと決めて終わらせてください。ってか私の発言や行動もあなたが決めているんですよ?私があなたを責めてるわけじゃなくて自分で自分を責めてるんですよ?何がしたいんですか、ドMですか?いいから早く…」
ここでインタビュアーは不審な死を遂げる
インタビュー 身ノ程知ラズ @mizoken
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