文章が書けて絵も描ける両刀創作者が感じた「一意専心」の強み

三咲ゆま

両刀作者が悩み抜いて出した結論

 絵と文章どちらも書く(描く)よ!

 という両刀タイプの創作者は、ざっとSNSを見渡した感想だと、そこそこいらっしゃるように感じます。

 どちらも楽しいですからね。

 どちらもやりたいし、どちらかには絞れないものですよね。

 私も両刀なのでよく分かります。


 しかしこの両刀スタイル、絵と文章どちらに比重を置くかという部分だけは、最初に決めておいたほうが良かったと感じています※個人の所感です。


 創作活動を始める時に、自分はこれをメインにやるんだという媒体を定めるメリット。それは確かに存在します。

 一つのことをずっと続けていると、周囲の人たちから「あなたはこれを頑張っている人なんだね!」と認識してもらいやすいのです。

 そうすると自然に周囲には、あなたが頑張っている分野の作品を求める人が集まってくる。応援してもらいやすくなります。


 私は小説を書き、イラストを描き、漫画も描き、ゲーム制作もするというなんでも屋スタイルでやっていたら、結局これといった売りのない創作者になってしまいました。

 いろいろやりすぎていて何を見たらいいか分からないというご意見もいただき、確かにそれはあるかもとハッとしました。

 そうなんです。危険なのは「何をやっているのかよく分からない奴」になることなんです。


 やはり、脇目もふらずに小説一本で頑張っている人

 同様にイラスト一本で、漫画一本で、ゲーム制作一本で頑張っている人は強いと思います。

 一意専心とはつまり、一つのことに全振りということ。

 あれこれやってる人よりも、突出した結果を出しやすい。

 そのぶん時間を使い、試行錯誤を重ね、研鑽を積んでいるのですから。

 つよつよ戦士が生まれやすい。これは間違いない。


 そう考えると、何に力を入れて活動するのかを定めたくなってきます。

 いえ、恐らくほとんどの創作者が最初からこれというものを定めて作品を作り始めているのだろうと思います。

 いろいろやってきて、どの世界でもパッとせず埋もれていた私は、ある日突然目から鱗が落ち、このままではだめなんだと考えはじめました。


 創作において、いろんなことができることは武器になるのかならないのか。

 考えすぎて、悩みすぎて、創作が手につかなくなりました。


 そうして一旦出た結論です。

 「私の場合は、武器になっていない」


 これです。小説も、絵も、漫画も、ゲーム制作も、全て真剣に全力で取り組みました。

 でも作品はパッとしなかったのです。埋もれきっていました。

 もちろん全く評価されていなかったわけではありません。

 評価してくださるやさしい方々はおり、ずっと心から感謝しています。その方々のおかげで今があります。

 でも数字の面では、いつもふるわない結果でした。

 私は私の作品が面白いものなんだ、確かに人の心を動かす内容なんだという、証になるものを欲していました。

 何らかの賞をもらう、目標の数字を叩き出すなど、目に見えて誰からも分かる実績です。

 しかし、それらを手に入れることはできませんでした。

 その事実に気づいたとき、自然と歩みを止めてしまいました。

 考える時間が欲しくて、日々悩み抜きました。


 そうして行き着いた答えが、「初心に返って一つのことに全力で打ち込んでみる」という選択でした。


 私が一番見てもらいたいのは、物語です。小説です。

 そのことをしっかりと自覚してから、もっと小説の道で真剣に頑張りたいと思いました。

 遅すぎるかもしれませんが、今からやります。一意専心を。


 以前カクヨムにアップしていた小説は、諸事情により現在は下げています。加筆訂正が済んだらまた、どばっとアップします。

 12月からは、カクヨムコン11用の小説をコツコツと上げていきたいです。


 この文章は決意表明として書きました。

 人生のすべてを創作に捧げてきた身です。私には創作しかありません。

 だからこそ芽が出るまで、実るまで粘りたいんです。


 一つだけ書いておきたいのは「いろんな媒体で作品を発表するスタイル」を否定したいわけではありません。

 それはとてつもない労力が必要になり、誰にでもできることではありません。

 ぶっちゃけできる人は稀です。超人です。すさまじい努力の末に身につけた能力なのは間違いありません。

 ゆえに私は、そんな力を持ったフォロワーさん達を敬愛してやみません。

 ただ、私はそのやり方で自分を満たすことができなかったという話です。


 もしも両刀の方が同じように悩んでらっしゃったら、一旦立ち止まってみるのもありだと思います。

 自分に合った道や、自分が進みたい道をゆっくり模索していけばいい。

 一意専心を決めても、他の媒体でたまーに息抜きしてもいいんです。

 私もそうします。

 何より自分自身が納得できる道を探していきましょう。


 小説を頑張るので、見守ってくださると嬉しいです。

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文章が書けて絵も描ける両刀創作者が感じた「一意専心」の強み 三咲ゆま @nkf_misaki

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