ただ一つ、それだけを君に願おう
白月
一歩目――少女の目覚め。旅人の邂逅。
少女の独白
心とはなんだろう。
――感情とはなんだろう。
――愛とはなんだろう。
――喜びは? 怒りは? 哀しみは? 楽しさは?
――分からない。私には分からない。
――苦しみも、嬉しさも、親愛も、憎悪も、好きも、嫌いも。
――その全てを私は持っているはずだ。
――それなのに、私はその全てを本当の意味では知ってすらいない。
――中途半端に持っている分、余計にそれを求めてしまう。
――フール。あなたは知っているのでしょう?
――あなたについていけば私にも分かるでしょうか?
――あなたは言っていましたよね?
「この広い世界には想像もつかないような、美しい光景が数多存在している。でもね、僕は思うんだ。人の心やその在り方は、稀にその全てを飛び越えて美しく輝く時がある。だから、人の心はこの世界のなによりも尊いものなんだって――」
――それを私にも教えるとあなたは言いました。
――だからひとまずは、あなたについて行くことにします。
無骨な剣一つを背に負い、不思議な笑みを浮かべる青年と、機械の身体を持ち、偽りの心を有する、一体の少女の姿をしたアンドロイドの二人旅です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます