魔術倫理基礎
常陸 花折
授業シラバス・課題内容及び評価基準
【到達目標】
1. 魔術行使に関する基本的な倫理規範と法的概念を理解する。
2. 禁呪・契約・召喚などの高位魔術における危険性と責任を説明できる。
3. 倫理的判断が求められる事例において、自らの立場を論理的に表現できる。
【授業計画】(全15回)
第1回 導入―魔術と倫理の関係
魔法が生まれた瞬間から存在していた「責任」という概念。
力と善悪、倫理の基本構造。歴史的事件をもとに魔術倫理の必然性を解説。
第2回 ストラテッラ統合法規と魔術法体系
魔術行為を規定する基本法「統合法第十三章」について。
法の理念と裁定権の所在。各領域での差異にも触れる。
第3回 禁呪条約とその成立背景
「禁呪」とは何か。なぜ一部の術は存在そのものが罪とされるのか。
禁呪戦争の反省を通して、倫理と安全保障の関係を学ぶ。
第4回 召喚と契約―他者を呼ぶ責任
召喚魔術における契約の原理。召喚対象の人格・権利概念。
事例:「未成年召喚事件」と召喚者責任の裁定を考察。
第5回 精神干渉と同意の倫理
心を読む、心を操る魔法の倫理的境界線。
通信魔術・夢界干渉を事例に、同意と侵害の線引きを学ぶ。
第6回 生体魔術と生命操作の限界
治癒・蘇生・強化・変質――生命操作に伴う倫理問題。
神域倫理評議会による「魂の不可侵原則」を検討。
第7回 神機と倫理―神の力を扱う者たち
神機(ディヴァイス)の所有・研究・行使に関する法的制限。
「神機研究所事故(メティス事件)」の映像資料分析。
第8回 中間整理講義:事例で学ぶ魔術判断
これまでの講義内容を基に、複数の事件記録を比較。
「誰が正しかったか」ではなく「どの判断が倫理的か」を考える。
第9回 魔術と文化差―異界間倫理の問題
現世・外界・異界、それぞれの倫理観の衝突。
外交・通訳・文化翻訳の立場から見た倫理的調停。
第10回 禁術研究と学問の自由
学問の自由と社会的危険性のせめぎ合い。
研究倫理委員会の役割と責任。学生研究における注意点。
第11回 倫理と信仰―神への忠誠と人間の自立
「神に従う」ことは常に善か?
信仰・献身・自己犠牲をめぐる倫理哲学。
第12回 魔術犯罪と裁定制度
魔術犯罪の類型と裁判過程。再教育の原則と断罪の境界。
「赦し」と「再発防止」を両立させるための倫理的思考。
第13回 未来倫理―AI魔術と電脳召喚
現世の技術が魔術領域へ侵入する現代的課題。
AIによる召喚判断や自動契約の問題を扱う。
第14回 統合倫理と自己裁定の技法
倫理は外から与えられるものではなく、内から生成されるもの。
個人の倫理観をどう鍛えるか、実践的ケーススタディ。
第15回 期末総括講義―「正義」とは何か
エリス教授による総括映像講義。
全課題を通して自らの“魔術倫理宣言”を完成させる。
【成績評価】
・倫理判断課題(各回提出)……50%
・期末レポート(自由課題)……40%
・小テスト(映像内クイズ)……10%
【教科書・参考文献】
・エリス・ディコニア著『統合魔術倫理入門』(ストラテッラ大学出版局)
・ヘルメス・トリスメギストス編『召喚と契約の法史』
・テラ・イディオス監修『現世法と魔術法の交差点』
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