嗚呼、これがキマシタワーか。壮観だなぁ……
と、世界遺産を見上げる独特な幸福感を纏いながら、最終回のページをめくりました。
完結して嬉しいような、もっと続きが読みたくて寂しいような、アレです。
ね、お分かりでしょう?((
web小説では珍しい、一期と二期で本を分けての連載となった本作は、
壮大な冒険小説の上下巻を読破したような
往年のゲームで2枚目のディスクまで遊び尽くしたような
そういう達成感に近い読み味でした。
さて、そんな遊び心を添えて描かれるのは
相変わらず百合好き大歓喜な湿度ある百合描写と
抜群のカメラワークで表現された戦闘描写によるデンプシーロール。
首がもげそうです。幸せ。
一巻分の積み重ねもあって、既に夫婦めいた絆で結ばれたミーシャとエリサのやり取りは百合好きなら必見です。
あのですね、ネタバレを避けながらなので怪文書になりかねないのですがこれは語らせていただきたい。
一挙手一投足の節々に互いを慮る気持ちがさり気なく描写されてて、これもう結婚してるだろ!してたよね!一期でアレしてたし!
と悶絶必至の尊さがじっくりと脳を煮込んでくれるのでいつの間にか尊タヒできるんですよ堪りませんね!!
特定の百合回でやるんじゃないんですよ!冒険パートや情報収集パートのちょっとした端々でやるんですよ!
イチャイチャというより、ほら、あるじゃないですか阿吽の呼吸のオシドリ夫婦特有の目だけで通じ合ってるような、
手を繋ぐというより肩を寄せ合うような、
一線を既に超えて二人がひとつのパーソナルスペースを築いているしっとりした距離感!
……失礼、取り乱しました。
百合描写だけでなく戦闘やストーリー運びも一級品です。
小説において難度が高いとされる【乱戦】と【視点移動】。
少しでも間違えればたちまち読者を置き去りにしてしまうハイリスクなテクニックですが
誰が中心で立ち回っているのか、誰の視点で何処が描写されているのかが明確に示されながら進行するので
置いてけぼりになる心配がありません。
読者に対するホスピタリティがすごい。
百合好き、ファンタジー好き、バトル物好き、果ては時代劇好きに戦記モノ好きまで
一読の価値を言い値で保証できる百合冒険譚の金字塔!
長々と語らせていただきましたが、言いたいのはついぞこのひと言、
──ここにキマシタワーを建てよう!!!