第25夜
『待っていて。会いに行くから……俺の愛する白羽』
夢で最後に告げられた相手からの言葉が、耳にこびりついて離れない
会いに行くと言っていた
その言葉にリュウトが口にしていた白羽の『影』の存在が頭に浮かぶ
けれど命を狙って来る影が愛するなどと口にするのは意味が分からない
そして穏やかな声だと思う反面、狂気に満ちた声……
「っ……」
凍る背筋を温めるように、白羽はシャワーを全身に浴びた
「大丈夫か?」
「ああ…悪いな。お前まで起こして」
陽斗からミネラルウォーターを手渡され口にする
渇きを覚えた体に染み渡るようだった
ようやく一息つく事が出来た気がする
「気にするな。んな事よりも白羽、いつもあんな風に魘されるのか?」
魘されいるのは知っていたが、これほどまで酷く魘されているとは思わなかった
何故、白羽ばかりが辛い思いをしなければならないのか
「いや、ここ最近は悪夢はみなかったんだけどな」
「そうか……」
すると不意に頭を陽斗に撫でられた
まるで赤子をあやすように
普段なら腕を払い除ける所だが、されるがままにする
今の親友の気遣いが、有難かった……
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