The Unnerfed Legend 〜俺だけチート付与 サーバー崩壊プレイ〜
幕ノ内 精華
第1話 人生やり直しRPGとは何ぞや?
仮想現実大規模多人数同時参加型オンラインゲーム。
通称「VRMMO」
そんなVRMMOゲームが流通し、ディスプレイで操作するゲームが無くなってきた現代。また新たなVRMMOゲームが販売開始した。
その名も「The Unnerfed Legend」。
スキル。能力を駆使しストーリーを進めるオープンワールド型が主な形成の中、一際群を抜いて注目される理由がひとつ
「能力などは一切なし。現実世界の能力に依存し、人生をやり直すようなRPGゲーム。」
その言葉は、ゲームプレイヤーなら反応しないわけが無い異常な設定だった。
能力がなくて何が楽しいのか
スキルを使うのが楽しいんじゃないか
そんな言葉は開発者には響かなかった。
「私はかなり暗い人生を歩んできました。そんな人生をやり直したい!と思いこんなゲームを作りました。」
開発者の言葉は、多くの人の反応を呼んだ。
「斬新な設定だ!面白い!」
「俺もつまらない人生だし、やってみたいな」
などの大人の言葉
「ウハウハな人生歩みたい!」
「流行りに乗って動画の再生数稼ぎたい!」
などの若者の言葉
老若男女を集め話題性が広がったゲームが今!サービスを開始する!
────11月11日午前11時
「こんな時間にサービス開始なんて、開発者は随分のお菓子好きと見た!」
専用のゴーグルを用意し、専用ディスプレイの画面とにらめっこしながら一言呟く。
「橘 黒魔」。プロゲーマーを夢見る高校生!
という訳ではなく、ただ趣味でゲームをプレイしている普通の高校生だ。
「人生やり直しRPGだって?まぁ面白いキャッチコピーだとは思うがぁ、俺には響きたかったな」
マウスをカチカチとクリクックしながら11時11分を待ち望む
「俺はただ流行りに乗りたかっただけだ、何せ俺はオープンワールドゲームは好まない」
黒魔はゲームを基本的に決められた場所で同プレイヤーとコミュニケーションを取りながらストーリーを進めていくのが主なプレイ方法。
「だからオープンワールドは基本やらない、やり込みすぎて睡眠時間が5分になってしまう」
そんな冗談を混じえながらネットを見る
「うわ、またアイツ垢BAN食らってるよ」
黒魔が目に付けた人物のアカウント名は「カブト」オープンワールドゲームで女子プレイヤーにナンパをしまくってる結果、通報を食らって凍結されるのがいつものオチだ。
「おっと、通知が溜まってるな」
黒魔のアカウント名は「クロム」フォロワーは2300人とまぁまぁ多めで基本的によく動かすので交流関係は多い方だ。
クロムはカブトの投稿を見ながらボソッと呟く。
「なんでナンパなんかするんかねぇ、顔はいいんだからせめてリアルでやりなよ」
(とは言ったもののリアルでのナンパも迷惑か、普通に辞めればいいものなんだけどね)
すると通知音が鳴る、DM(ダイレクトメッセージ)に1件のメッセージが届いていた
「噂をすればカブト様のご登場か?っとなになに、」
俺と一緒にThe Unnerfed Legend をプレイしないか?
「嫌に決まってんだろバーカ!俺も巻き添えで垢BAN不可避だわ!」
完全に言った内容と同じメッセージを返すと、リアクションでバットマークが届く
「そんな事言わないでさぁ、今回はまともにやるし!安心してよ!」
「安心出来るかぁ!?この前の【波風】でも同じ事聞いたわ。」
時は1週間前に遡る……
カブト「俺と波風プレイしね?」
クロム「どうせナンパすんだろ?」
カブト「今回こそはしない!」
クロム「信じるからな?」
そう言って10分後
「ねぇねぇそこの君!俺とリアルで【ピー】しない?」
金髪の髪をなびかせるアバターに飛び膝蹴りを顔面に食らわせて、首根っこをつかみクロムは女子プレイヤー2人に頭を深々と下げると白髪のアバターの男が金髪のアバターの男を引きずって裏路地に連れて行く
「何してんのお前!?!?普通にセクハラ発言ですが!?通報されたら一発で垢BANだぞ!?」
白髪のアバター。クロムが金髪のアバター。カブトに向けてデカい声で叫ぶ
「うるっせぇなぁ、このスリルが楽しいんだよ!」
耳を塞ぎながら目を細め、あぐらの姿勢を崩す
「でもお前、こんな俺が好きなんだろ?」
肘でほらほらぁ、と相槌を欲しそうにニヤけるカブトにクロムは……
「お前……」
「そうだよぉ!そんなお前がおもろくて好きだ!」
とりまノリノリに返しとくかと適当な判断で肩を組み、裏路地から出る
「あっ、あの人たちです!セクハラ野郎!」
さっきの女子プレイヤーが指をさしながら大勢の警備員MPCを連れて大声を出す
「ふぇ?」
クロムとカブトは声を合わせて困惑の声を出した
「取り抑えろ!」
MPCがバタバタと足音を鳴らしながら近づいてくる
「ちょちょちょ!逃げた方がいい感じじゃね?」
カブトが慌てた声を出すとクロムは自信満々に胸を張り言う
「俺は何もしてない!ゲームの仕様上、俺は取り押さえられない寸法だ!」
「くっそ狡い野郎が!」「黙れセクハラ変態野郎!」
クロムとカブトが言い合っていると2人の女子プレイヤーの1人、大人しめの静かな女の子が肩を叩く
「?はい?」
「あの、2人とも通報されてたので、恐らくですがクロムさんも……」
数秒沈黙が流れた、思考が止まるような感じだった
「え?」
取り押さえろーー!!!!
MPCに囲われて取り押さえられる
「おいおいおいおい!!!なんもしてないって俺ぇ!!??」
取り押さえられるクロムを遠目に見るカブトを見る
「ブワッハッハッハwww!!!!ざまぁwwww!!!!」
大笑いするカブトに嫌気がさし声を荒らげる
「てんめぇふざけんなよ!!降りてこいこの野郎!!」
「誰が降りるかよバーカ!俺は逃げるぜぇ」
ポポン
ゲーム内の通知音がなりチャットを確認する
【複数回による暴力的発言・通報を受けアカウントを凍結させて頂きます。】
運営からの通知だった
「「え?」」
カブトとクロムは波風から姿を消した
───現在
「なんてことあったんだよなぁ、思い出すだけでぶん殴りたくなるわ……」
だから信用ならんのよなぁ、と思いながらDMを確認すると……
カブト「今回巻き込んで垢BANされたら5万円やるよ!」
「なんだってぇ!?それは是非とも垢BANされたいものだ」
何言ってんだお前
クロム「言ったな?今度こそ信じるからなその言葉。」
カブト「任せんしゃい!俺は真面目にプレイするぜ」
そんなことを言ってたら11時11分になった
「お!サービス開始だ!」
すぐさまゲームを購入し、専用機械を作動させるとゴーグルを着用する
「よぉし!カブトの変な言い草なんてほっぽかして楽しもうじゃねえの!」
The Unnerfed Legend 通称 TUL
プレイ開始!
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