【真相】
「香澄は全てを知っていたよ」
最後に「香澄」を抱いた日
全てを伝えてくれた。
「桔梗」の想い
「桔梗」への想い
そして
「香澄」の想いを
愛していたと
心から愛していたと
「桔梗」を
そして馬鹿なこの俺を
どちらも大切なのだと
変わらず大切なのだと
「桔梗」の想いは
ずっとずっと知っていた。
隠していたとしても
伝わらなかったとしても
「知って」いたと
双子だから
単純なことだと
「同じ人」を好きになるのは当然なのだと
「桔梗」の想いを知りながら
里のためにと
裏切ってしまったことを
悔いていたのだと
俺自身の想いも知っていて
それでも
止まれなかったのだと
「香澄」は言った。
「これは私のわがままなのです。貴方を心から想っていたから」
叶わないと思っていたから
浅ましい自分の願いを
優先してしまったのだと
だから
これは報いなのだと
あの日
そう言っていたのだ。
ごめんなさいと
許されないのはわかっていると
そんなことはない
そんなことはないのに
沈む顔で
苦笑いを浮かべながら
そう告げてきたのだ
「私が居なくなっても…きっと貴方は大丈夫…そう自分に言い聞かせました」
だって「桔梗」が居るからと
私が居なくても良いのだと
「死」を覚悟しながらも
震えながらも
一人でずっと
ずっとずっとずっと
言い聞かせ
抱えてきたのだと
「でも最後に…貴方に心から愛されたいと思ってしまったんです…浅ましい私の願い…叶えてくださりました…」
瞳から雫を零し
「香澄」はそう言っていた。
何度も何度も
「香澄」の名を呼んで
何度も何度も
「香澄」を浮かべ
あの時だけはただ
「香澄」という女だけを
ただ只管に見続けていた。
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