【覚悟】
抑えがなくなった感情は
もう留まることを知らない
「香澄」が居ない期間
数え切れないほど
「桔梗」を愛した
互いを刻むように
何度も何度も
月が登る夜にだけ
何度も何度も
甘い吐息
甘い声
誰にも渡さない
壊れてしまったのだ。
だからなんだ
浅ましくおぞましい
己の欲望が
確かめあった二人には
抑えられるはずはない
理解されなくていい
理解してほしくもない
たとえ誰かを泣かせても
たとえ友を失っても
たとえ里を追われても
死ぬまで
辞めるものか
「香澄」や里長が戻り
表向きは変わらぬ日々
穏やかに過ごし
緩やかに流れる
そんな幸せな日々
変わったのは
狂ってしまったということ
「香澄」に求められ
全てを貪りながらも
心に居るのは
瞼に浮かぶのは
「桔梗」だけ
水音が響く
甘く儚い嬌声が響く
太陽を侵すように
独占しながらも
ああなんとも…
ああなんとも…
あの時の罪悪感など
もうないのだ
「大丈夫…ですよ…こちらを……見て……」
息を乱し
貪る中で
静かに
優しく
目の前の女
「香澄」は告げた
「貴方は…んっ…大丈夫…あっ…ですよ…」
何を言っているのか
どういう意味かは
わからなかった
ただどうして
何故どうして
そんなに優しい声色で
「お慕いして…おります…いつまでも…どうなろうとも…」
霞んでいく
視界が霞んでいく
何故だ…
見えない…
何も見えない…
何故俺は
泣いているんだろうか…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます