中国の高校に転校したら、隣のあいつがおかしい

@setsunanako

プロローグ

これは異なる国からの二人の物語


中国の高校一年生

普通の人生

普通の成績

普通の学生

それが私

親や家族との関係は悪くはない、クラスメイトとの関係もそこそこ、誰とでも仲良くなれるが、親友と呼べる友達はいない。だらだらと毎日を過ごし、特に不満はないが、ただいつも虚しさを感じていただけ。そんな虚しい日々の連鎖は、一人の少女の訪れによって断ち切られた。

昼ご飯を食堂で済ませた後、いつものように集めた英語の宿題を先生の机に置いた。しかし、いつもこの時間にご飯を食べている担任が、父に見える大人と話していることに僕の注意が引かれた。最初は運の悪い誰かさんの悪戯がバレたと思っていたが、でも大人の隣に立っている少女は見慣れない顔だった。一目惚れではないが、でも確かに彼女は僕の目を引いた。肌は常人より白く、黒い髪は学生には見えない長さで、身長は女子の中でも低い方。でも一番僕の気を引いたのは彼女の顔だ。綺麗ではあるが、そういう理由ではなく、ただただ違和感を感じていた。見惚れた僕の視線を感じたように、彼女は頭を上げた。そして視線が合った。

「坏了」「ヤベェ…」

「不会被当变态了吧」「キモいと思われたかも…」

「まぁ、別にいいんだけど」

と思った

僕が視線を逸らす前に、彼女はまた頭を下げた、無表情だった。

そのことが頭から離れないまま、私はクラスに戻り、席に着いて、昼寝をした。いつもと違って起こしたのはチャイムではなく、隣の騒ぎだった。目が開かないまま、頭を上げ、ぼんやりとクラスメイトたちが誰かを囲んでいることに気づいた。一番近いクラスメイトの背中を指でつついて、聞いた。

「どうしたどうした?」

「先生がさぁ、新しい転校生を連れてきたんだ、すごく綺麗な子だ」

大体想像はついた。

「それに、なんと、彼女は日本人だって先生が言ってたの」

「へえー…そうか、日本人か…って日本人?外国人?」

完全に目が覚めた

前代未聞の状況が僕をドキドキさせた、そして職員室で彼女を見かけた時の違和感も晴れた。

でもそのドキドキはすぐに消えた

ただの新鮮感だけ、そのうちただのクラスメイトになる、僕に関わることもないだろうから、何も変わらない。

と自分を説得して、また寝た。

そして予備チャイムが僕を起こした。

いつものように先生が来た。

まだ寝ぼけている僕は、先生が言ったことあんまり聞こえていない。でも歩いてくる人の姿に気づいた、じっくりと見れば、転校生だと分かった。そして彼女は僕の隣に座った。特に意外ではない、何せ英語が得意だった、外国人と交流できる人は、僕以外確かにあんまりいないかも。でも先生が知らないこともある。近づいて見れば、彼女は確かに可愛かった、でもそれ以上に、その顔に溢れたどうでもよさと暗さは彼女の雰囲気を近付き難いものにしていた。

そして午後の授業が始まった。

彼女が気になって、時々ちらっと見た。最初は教科書を持っていないと思ったけど、彼女が国語の本を開いた、そしてその隣にあるのはもっと分厚い本だった、僕は一目でそれを辞書だと認識した。一字一句で中国語の文章を辞書で調べて、日本語を原文の隣に書いている少女を不思議だと思った、そしてやや懐かしさを感じた。そんな不思議な少女に、僕の注意は完全に引かれていた。どれだけの時間が過ぎたのか、覚えていなかった。第一課の《沁园春·长沙》を翻訳、いや、翻訳とはいえないか、とりあえずそれを完成した時、彼女が微笑した…かもしれません、その表情の変化があんまり一瞬なもので、確定はできない。僕の視線を感じたように、彼女は頭を少し斜めに僕に向けた。これで視線が合うのは、二回目でした。

「それ、面白いの?」

「うん」

これが僕たちの、会話でし

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