顔という身近すぎる題材を、一瞬で異界のものへ変えてしまう発想が鋭く、祠の描写から状況が反転する流れに引き込まれました。シミュラクラ現象を取り入れた「見えた瞬間に襲われる」という構造がとても巧妙で、読み進めるほど視線の置き場に迷う感覚が生まれます。都市伝説風の語り口と、最後に語り手が静かに“境界を越える”構成が印象的で、読んだ瞬間の怖さがそのまま身体に残る作品でした。
興味を引く入りで良かったです。怪異の設定が良く考えられていて感服しました。展開が良く最後まで目が離せない面白さでした。終わり方も素晴らしかったです。
意識すればするほど、認識してしまうジレンマ。現代的な軽薄さと、土俗的恐怖のコントラストも良い。