第1話は、ビーグル犬・むぎの視点で描かれる“静かな孤独”が魅力的だった。
ペットショップという明るく見える場所の裏側にある、犬たちの退屈・諦観・本音が、むぎのクールな語りによって淡々と、しかし確かな温度で伝わってくる。
■むぎのキャラクターが強い
・客に媚びない
・興味を持たれても寝たふり
・「人間の一時的な興奮は騒がしい」と切り捨てる冷静さ
この“達観した子犬”というギャップが非常に面白い。
むぎは孤独だけど、弱くはない。
むしろ、周囲の犬よりもずっと大人びている。
■ペットショップの描写がリアル
・人気犬種が前列に並ぶ
・値段で判断される命
・閉店後の静けさと、犬たちの夜の時間
読者は自然と「むぎはこのまま売れ残るのか?」という不安を抱く。
その不安が、次に登場するであろう“爽介”との出会いへの期待を強めている。
■語りのテンポが良い
むぎのツッコミが軽妙で、読んでいて飽きない。
特に最後の「またあいつか。うるさい。」は、
むぎのキャラを一瞬で好きになる締め方だった。