第4話 [内緒の話]
私はミシェル=ロッソ。6歳になった私は
日本のH県の出身だった事、私は
ミシェルとしての2度目の来日はそこまで嬉しいものでは無い、長年ガンを
「アンドレアス、マリー、ミシェル…よく来てくれたなぁ」
「母さんは?」
「シェリーは会場の奥で寝てるよ。ミシェル、お前も挨拶しておきなさい」
私は
「パパ、ママ。お婆さまが優しく笑って言ってるよ『ありがとう』って」
両親は私を強く抱き締めて大泣きする、2人の目には私の姿が気丈で健気で泣くのを我慢している様に見えたのだろう。私は祖母に向かって
「お婆さま、お爺さまにも挨拶してあげて」
私がそう語りかけると、祖母は私の頭をそっと撫でてから祖父のいるロビーに行った。
「ミシェル、我慢しなくて悲しい時は泣いていいのよ?」
ママの私を労る言葉に
「本当にお婆さまが見えたの。お婆さまはね、前の私と違って人生を全うしたの、だから今はお婆さまがちゃん天国に行ける様に見送ってあげなきゃダメなの」
と、そのまま答える。パパはありえないと言いかねない表情で私を見つめ、ママは私を抱き締め続けていた。その後、パパとママは祖父の代わりに参列してくれた方々に挨拶をして回り、私は祖父の隣で少しでも祖父の気を紛らわす為に座っていた。
「ありがとうミシェル」
「お婆さまはね、お爺さまに感謝してるよ。私、見えてるの」
祖父は私の肩を抱き寄せてくれる、祖父は私の言葉を疑わずに聞いてくれるから好き。
「お爺さま、今だから言っていいですか?」
「何だね?」
私は祖父に田崎瑞穂の記憶を持った生まれ変わりだとあえて日本語で説明した後、祖母の言いたかった事を代弁する、祖父は驚いてはいたが、涙を拭き、私に
「ミシェル、今の話はミシェルと私の秘密にしよう」
「どうして?」
「
「ええ、約束よお爺さま!」
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