『エッセイ未満』という謙虚なタイトルですが、とんでもない。
素晴らしい筆力とユニークな感性で綴られた極上のエッセイ集です。
例えば第二話では、
ホームセンターのトイレ前に貼られていたポスターの「大処分市」のセンスにうならされた。
と書かれています。
「センスにうならされた」とおっしゃられていますが、日常の物事にこのような視点を持っている佐藤宇佳子さんのセンスに、私は大いにうならされました。
「大処分市」のどこに佐藤さんが目をとめたのかは、ぜひ本エッセイを読んでご確認ください。
最後に、このエッセイ集の最大の欠点を述べましょう。
それは全五話で完結してしまっていることです。
(もっと読ませてください!)
人気作家のプライベートを垣間見る、この
徒然草は、煽り文にある通り三話と四話の
対比が際立っている。
つまり、 好き と 嫌い。
これはあくまで作者個人の 感覚 であり
もしかしたら共感する者もいるのでは
ないかという、一縷の予感を秘めてはいる
が、そこは作者の卓越した感性。
一筋縄では同好の、或いは同嫌の士は
見つけられないかも知れない。取り分け、
好きのハードルは高い。
作者の思いつくままに徒然を書きつつも
矢張りその根底には
作家としての 意志 が流れている。
ものを書く以上は、どんなジャンルであれ
根底には何某かの意志、思想、提言が
あって然り。
この小さなエッセイは、かの作家
佐藤宇佳子なる宇宙と、芯のある潔い志が
垣間見えるものとなっている。
もう既に、様々な作品により作家としての
信頼は高いが、至極内面的なこの掌編に
余すところなくその片鱗が輝いている。
人間誰しも好きな趣味嗜好を持っていることでしょう。作者様の知られざる一面を垣間見えるちょっとクセつよよろしくの全五話。その中でもとりわけ目を見張るのが対照的な第三話と第四話。前話は好き好き大好きこの香り💕、対する後話では不快・ムリ・嫌悪🤢とが異彩を放つ。この影響で人生まで変わってしまう程?のニュアンスが豊富な語彙力で発揮されていて面白いです。
作家目線はもちろん、リケジョならではの観察眼とこれまで培われてきた経験によるフィルター効果が成せる構成力。人間誰しも好き嫌いありますが、改めて文字に起こすと普段は気づくことのできない視点があるんですよね。そんな気付きを与えてくださる貴重なエッセイです。
あらためて思います。
文字に起こすって素晴らしい。
エッセイ未満というタイトルですが、ちゃんとエッセイになってます。そして、さすが佐藤さん、選ぶ言葉のレベルが違います。秀逸というのか、端麗と言うべきか。
第一話『蟻が凄いです』このタイトルを見て何を思いますか?と言う話です。ああ、なるほど!ホントその通りだ!と、読んだら納得できるでしょう。
第二話『大サブリミナル効果の分析』これは面白い!大分県出身の佐藤さんならではというところでしょうか。
第三話は佐藤さんが好きなモノ、これはちょっと特殊です。
第四話は嫌いなモノを書かれてます。これも珍しいかも。
同じ大分県人として三話と四話に共感したかったのですが、特殊過ぎて無理でした(笑) でも、素敵な純文学を沢山書かれている佐藤さんの一面が知れたし、弱みを握ったような気にもなりました(笑)
第五話があるのかな?楽しみです。もっとずっと読みたいですが、五話で終わりらしいです。
佐藤さんの感性を凝縮したような、珠玉のエッセイ集です。心からおススメします。