第3話 鬼が来る 前編
「おい!おいおい!うぉい!!南澤よ、アレなんかヤバくねえか!」
「走れ!平澤!!」
鬼が来る。
推定性別:雄(子ども)
推定身長:135㎝
推定体重:30kg
推定刃渡り200㎜の腰鉈を所持
「南澤!オマエ空飛べんのズリーぞ!さっき『歩きて〜』とか抜かしてたな。僕の足と交換してやるから降りてこい!!」
「いや〜異世界に感謝感謝」
余裕な南澤とは対照的に平澤は全力疾走だ。鬼はまるでロボットのようにどこまでも等速で追いかけて来る。
「南澤!僕も異世界に感謝だ。こんだけ長く全力疾走して、全く息が上がってない!」
1分後
「いや〜南澤。どうやら撒いたようだ。アレは一体なんだ」
「向かってきたのは一瞬しか観てないが、やはり小鬼だったな。ただアノ武器はファンタジーではなくホラーだ」
「、、、しかし南澤。この公園?は広いなあ」
2人がいたのは芝生エリアを離れ砂利が敷き詰められたエリアだった。大きな滑り台やジャングルジムといった遊具までご丁寧に設置されている。
「僕らと鬼ごっこするんじゃなくてよ〜。さっきの小鬼さんもこの遊具で1人で遊んどけよな〜」
そんな会話をしながら滑り台の下の死角に移動しているその時だった。
「平澤!!」
「おおおお」
「って良く観たら小鬼の模型だ。動きやしない」
「あぶね〜心臓止まるかと思ったわ」
「お2人ともよく逃げられましたね。捕まったらそこでゲームオーバーでしたよ」
「「誰だオマエは??」」
2人は同時に大声で質問するが、その声の主の姿はどこにもない。
「私はこの世界の妖精です。お2人には私の姿は見えません」
ただもう2人は彼女の声に耳を傾ける余裕は無かった。また鬼が近くまで来ていることを確認できたのだ。
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