怪談三不思議〜怪談短編小説〜

雨晴 まんまる

壁の声

 夜、男の子が夜遅くまでテレビを観ていた。もう日を股いでいた。お母さんは、

「もう遅いんだから、早く寝なさい」

と指摘したが、男の子は全く動じず、

「う〜ん。あとちょっと」

と言って、ずっとテレビを観続けていた。お母さんはあきれて、

「もう。言うこと聞かないんだから。だったら、先布団入ってるからその番組見終わったら、寝なさい」

と言って、お母さんは寝室へ行った。男の子は話を聞かず、ずっとテレビを観ていた。


 もう深夜三時になった。男の子はまだテレビを観ていた。テレビに夢中になっていたとき、どこからか

「ふああ〜。寝ないと、呪われる。ふぁ〜」

と言う声が壁から聞こえてきた。男の子は一瞬振り返ったが、またテレビを観始めた。今度は、誰かが後ろから歩いてこっちに来る音がした。男の子は振り返ってみたが、やはり何もなかった。男の子は、不思議になった。

「僕以外誰もいないはずなのに、誰かがいるっ」

と、何か奇妙なものを感じた。しかし、頑固な男の子はまたテレビを見始めた。そうしたら、壁がいきなり

「もう限界だ!ここまで怒らせたな、食ってやる!」

そう言って、壁はいきなり男の子にのしかかり、男の子は何も声を出せずに壁に飲み込まれていった。


 朝になった。お母さんは、いなかった。まだ、テレビはついている__

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る