さくらの花びらと共に、胸の奥にしんと降り積もる――人生で大事なこと。
- ★★★ Excellent!!!
誰もが一度は感じるであろう、他人と自分の違い。
誰かと比べて、自分は違う。
それを恥じて、隠すようになる。
かくいう私も、そういう時期が確かにあった。
未だにある(かもしれない)。
人は、自分の弱みを他人に見せることを恥じだと思う。
でも、その弱い部分を隠し続けていても、本当に欲するものは手に入らないのかもしれない。
本当に欲しいものは、弱さを認め、受け入れられた時にこそ得られるのかもしれない。
とはいえ、そう簡単に弱みを見せられるものではない。
素の自分をさらけ出すのは勇気がいる。
この作品の主人公二人も、同じことに悩み、疑問を抱く。
それでも、この二人が出会い、互いの素顔を見せあったからこそ、生まれたものがある。
この作品には、短編という短い文章の中に、人生を生きる上で大事なことが詰まっている。
文末に添えられた曲も、素敵なので聞いてみてほしい。
さくらの花びらが散る光景と合わさり、胸にしんみりと降り積もる。