晩ご飯を決めるユウくんとお母さん。
これ以上ないほど日常すぎる一コマです。
ニンジンとピーマンがキラいなユウくんは考えました。
しりとり形式で食材を言い合って、そこからレシピを決めれば――――食べなくて済む!
これはゲームに見せかけた、計算ずくの誘導。
お母さんの回答にあわせて選択肢を狭めていけば、ごちそうにありつける。
賢いですね~
初手から戦術は始まっているのですよ。
誰も知らないうちに。
さてさて。
晩ご飯、希望通りになるでしょうか?
……でもねユウくん。
苦手なものも、克服しないといけないと思うの。
だって――――
もう一度言いますよ?
これは頭脳戦なのです。
ええ……まったく。
しりとりで行われる頭脳戦が面白かったです。
晩御飯を何にしようか悩むお母さん。
息子のユウちゃんがそんな彼女に、しりとりレシピで決めたらどうかと提案します。
しりとりレシピというのは、食べ物の名前に限定してしりとりをするというもので、それによって出てきた食材を使って今晩の料理を作らないといけないらしいです。
ユウちゃんは小賢しくて、これを利用して、自分が食べたい料理になるように誘導していくのですが、終盤で衝撃の真相が明らかになります。
それを知ったとたん、今まで見ていた世界がひっくり返りました。素晴らしい叙述トリックですっかり私はミスリードされてしまいました(笑)
とても面白かったので、是非読んでみてほしいです。
一言で言うと完璧な作品でした。非常によく練られていて、読んでる最中から興奮が止まりませんでした。
この短さでこのクオリティーって僕が読んできた中で初めてです。断言してもいい。
本作に登場するのは主人公の「ぼく」ことユウちゃんと彼の「ママ」。ピーマンとニンジンが大嫌いなぼくは、ある作戦を考案します。
それは「しりとりレシピ」というもの。
ルールは簡単。ぼくとママで具材しりとりをし、登場した具材を使って料理を作る。それだけ。
実はこの設定ですでに罠が仕掛けられています。それは「しりとり」という建前を用いてピーマ“ン”とニンジ“ン”を回避するという点。
ここからしりとりを続けながら、ぼくの頭脳戦が始まります。目指すは大好きなハンバーグ。
「しりとり」の特性を上手く利用しながらママを心理操作する展開に読みごたえがあります。
最初から最後まで読者を楽しませようという気概が感じられました。脱帽です。