言葉の存在

第1話 言葉は無くても菓子は食べれる

 言葉というのは、不思議なものである。

 しゃべれなくても、腹は減るし、

 腹が減れば、食べる。


 菓子を食べるとき、

 吾輩はいちいち「いただきます」など言わぬ。

 言葉が無くても、菓子はうまいのだ。


 つまり、言葉は味を作る調味料ではない。

 …が、時々思う。


 もし「うまい!」と言葉にしたら、

 その“うまさ”は、ちょっとだけ増す気がする。


 では、その「ちょっと」が、

 吾輩にとっての世界を分けているのだろうか。

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