第2話 現場
バイトが終わり時刻は10時前、今日も30分ほど延長か、、、まぁ給料出るしいい人が多いからいいんだけど
バイト先から自転車を漕いで20分ほどの場所に川公園はある、バイクでくればよかったと後悔している
川公園、いくのはいつぶりだろうな
小学校低学年の時はみんなでよく遊んだけど高学年になっていくにつれて遊ぶ場所がゲーセンやらショッピングモールになっていったなー
川公園につくと驚いた、全然変わっていない、昔のままで少し懐かしい感じがした。
まずカメラを確認すると入口と公園の四つの角に防犯カメラがある、この数のカメラに写っていないのならこの公園に姉妹はきていないのだろう
そして川には柵がされている、事件当時はこんな柵はなかったのかもしれないが入るのは難しそうだ。
「んーー」
まっじでわからん、本当に川に流されて行方不明なだけかもしれないな、、、、、
いや2つ目の証拠がおかしい、血痕があったなんてただの行方不明なんかじゃない
血痕があったのは確か工場付近、川沿いにある廃工場だったな
廃工場はたしかジャングルジムを登ると見えたっけな、、、、のぼるかぁ、
高校三年にもなってジャングルジムか、まあ悪くないけど
見渡すと辺りは月明かりもない真っ暗な空で家一つ見えない
来る時間間違えたな、、、、そう思い腰を下ろす、
懐かしい、小学校の頃はこの公園でよく遊んだ、かくれんぼやケイドロに虫取りあとなにしたっけな、、、、
そう考えているうちに時刻は11時、結局分かったことといえば防犯カメラの位置ぐらいか、、、今日は帰ろう
ジャングルジムを降りると女子がいた、こんな時間に女子?
背は高くボブの少しクールな感じの子で正直可愛い
あんな彼女がいればなーってこんなわけのわからん探偵ごっこしてる奴には無理か、
一人でぶつぶつ言いながら女子の横を通り過ぎる
「まって」
女子が俺に声をかけてきた、独り言がばれたか、
「は、はい、?」
「なにしてたの?」
不審に思われたくないが正直に16年前の事件調べてましたなんて言えるわけがない
「、、、、、、、、、、、」
「え、えーと、、星!星を眺めてました」
「ふーん、星一つ見えない曇り空だけどね」
そうだ、今日は月明かりすらない夜だ星なんか見れるわけない、
どうしよう、、、、
「、、、、そっちはこんな時間に何してるの?」
「少し、気になってることがあって
「そうなんだ、じゃあまた」
そう言い俺は自転車をのところに行く
「、、、失踪事件」
ん?俺は足を止め後ろを向く
「いまなんて、、?」
一時の静寂、二人の間を冷たい風が吹き抜ける
「姉妹失踪事件、それを調べてるのよ、」
「姉妹失踪事件、、、16年前行方不明になった姉妹、、、、」
ハッとした顔をして俺と目を合わす
「あなたしってるの?」
「うん、俺も今それを調べてた、、」
「すごい偶然ね、たしかにこんな曇の日に星見てるなんておかしいもん笑」
彼女はそういい微笑む、クールな顔に柔らかい笑み、俺は少しドキッとした
「君はなんでしらべてるの、?」
「私が小さい頃ね近所に仲良くしてくれたお姉ちゃんがいるの、いつも遊んでくれてお泊りとかもしたわ、でも急に会えなくなって親に聞いたら遠くに引っ越したって、お別れもなしに行っちゃうなんて、夏休みは遊ぶって約束したのにとか思ったわ」
「結局その子とはもう疎遠に?」
「、、、うん、お母さんにいくら聞いても電話番号は教えてくれなかっし引っ越し先も教えてくれなかった、でそんなこともわすれて高校生になってふとネットの記事を見たの」
N県Y市 姉妹失踪事件
「もしかしてその小さいときに仲良かった子が、、?」
「そう。気になって色々調べたわ、そして見つけた図書館にあった古新聞、そこに姉妹の名前があった、名前が一致したのよあの時遊んだ子と」
「古新聞を調べたのか、なにかわかったことは?」
「なんにも、、そっちは?」
「まだまだ何も」
「そう、、、、」
沈黙が流れる、
「そう新聞コピー取ったし見てみる?」
「みるみる、、、」
「今日はもう遅いし明日とかって空いてたりする?」
「うん空いてるよ」
「じゃあ明日会いましょ、またなんかあったらこれ」
渡してきたのは連絡先だった
「おぉありがと」
「じゃあまた」
彼女は手を振りながら去っていく
まさかの出来事だ、俺と同じことをしている人がいるとはな
スマホを見ると時刻は12時を過ぎていた
補導が心配になり自転車を猛ダッシュで帰路についた。
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