5日目 “向き”が奥深い


 アークナイツには“向き”という概念が存在します。その名の通り、味方を戦場に配置したら、上下左右の任意の方向を向かせられます。


 この“向き”という要素、想像以上に戦略性と奥深さを秘めているんです。


 まず味方の攻撃範囲は“向き”を参照にして決まるので、基本的に背後は攻撃できません。なので、敵が攻めてくる方向を向いて迎撃の陣を構えるのが、このゲームの定石です。


 が、必ずしも、敵が来る方向を向くことが正解とも限らないのが、このゲームの面白いところ。


 大通りで並んだ2レーンの防衛を求められるステージを例にして考えてみましょう。


 右方向から敵が押し寄せて来たので、防衛地点手前に、味方2人を上下に隣接させて右方向を向かせて配置したとします。この場合、2人の味方は敵の進行方向を向いているので、敵に先制攻撃が可能です。しかしこの配置の欠点として、味方はもう一方の味方のレーンを援護することができません。


 次に、さっきと同じ条件で、味方の配置を変えてみます。下のレーン担当の味方のみ1マス横にずらし、さらに上向きに配置した場合、自分のレーンの防衛をしつつ、上のレーンの敵も攻撃可能になるのです。ただしこの場合、下レーンは敵に先制攻撃を加えられなくなり、さらに上レーンの敵も対処しないといけないので負担が大きくなります。


 上記の二つの例を出してみましたが、これはどちらが正解というわけでもなく、あくまで“そういう戦法が取れるよ”という可能性の話です。


 出撃した味方が両方とも高レベルであれば、前者の作戦でも十分だろうし、育成状況に差が出ていた場合や片方の味方の攻撃性能が低い場合は、高レベルの味方がもう一方の味方をフォローできる後者の作戦を取るとよいでしょう。


 では、強いキャラを入手したり、味方の育成が進んでレベル差の暴力で敵を蹂躙できるようになれば、こういった細かいテクニックなんて不要になるのでは?


 なーんてことはありません。知識は武器です。そして一度身についた知識はそうそう忘れません。

 キャラパワーのごり押しをもってしても攻略が行き詰まるのがアークナイツの難しいところ。そんなときは“向き”を思い出して作戦を練ると、思わぬ突破口が見つけられるのです。


 ほかにも、あえて敵に背を向けることで有利な状況を作れる場合もあります。


 放置していたら無害だが、攻撃したとたんに凶暴化して、手がつけられなくなるような敵がいる場合、その敵を味方の攻撃範囲に入れないよう、敵陣に背中を向けるという選択も出てくることでしょう。


 あるいは、攻撃して欲しい敵を集中させるためにあえて敵陣に背中を向けて、自陣に深く入り込んできた敵のみを、べつの味方とともに袋叩きにする、というのも戦術です。


 このように“向き”ひとつで、さまざまなテクニックが存在します。ですがこれらは、“向き”に秘められた可能性の一端に過ぎません。


 極端な話、同じマスに同じ味方を配置しても、“向き”によって異なる四つの可能性が生まれます。


 ゲームは試行錯誤している段階がいちばん楽しいものです。そして“向き”は試行錯誤を演出してくれます。

 アークナイツのゲーム性、戦略性、奥深さを体現する重要な要素のひとつと言えるでしょう。

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