第6話 青春って感じ

お昼後の授業はすごく眠い。

和樹と大はいびきをかいて寝ている。

莉愛「渚は真面目だね」

渚「親にお金払ってもらってるしね」

俺は大学の学費を、奨学金を借りることなく全て親に払ってもらっている。

一人暮らしに対する仕送りももらっているし勉強頑張らないと。

莉愛「私奨学金借りてるから、バイトもたくさん入れてて大変・・・」

渚「すごいね。考えられないな自分で払うなんて」

周りには自分でバイトをしながら奨学金を返している人が多くて本当に尊敬してるよ。

莉愛「受験失敗しちゃってね。本当は公立行きたかったけど」

渚「何かできることあったら言ってね」

俺に何かできるかは分からないけど、みんなの力になれたらいい。自分の役割を見つけないといけない気もしていたから。

莉愛「ありがと。やっぱ優しい」


渚「そういえば、俺のこと知ってたみたいだけど誰から聞いたの?」

初めて会った時も俺のことを元々知っていたように話していた気がする。

莉愛「大から聞いたんだ。ボクシングやってるって自己紹介かなんかで言った?」

渚「あ・・・言ったかも」

大学で友達をたくさん作りたかった俺は、自己紹介で格闘技が好きだと言うことを語ることが多かった。

そうすれば印象に残りやすいと思ったからね。

莉愛「結構驚いてる人多かったよ?もしかして喧嘩とかってする?」

渚「まさか。俺なんか弱いよ」

喧嘩なんて無理無理。仮に相手より自分の方が強かったとしてもビビって動けなくなるだろうな。

莉愛「渚は優しいもんね」

本当に彼女と話していると気持ちがいいなあ。本当に惚れそう・・・


渚「ヤバ・・・」

莉愛「ん?」

渚「あ・・・何でもないよ!ごめん」

女の子の前で、あんまり他人の話題出さない方が良かったんだった。

もっと莉愛のことを聞いてあげないとかな?

でも他人の話とはいえ、一応莉愛に関する話題だったし・・・もう!頭がこんがらがる!

やっぱ満里奈との一件でトラウマになったのかな・・・。


莉愛「ねえ渚?」

渚「ん?」

こちらを向いて、優しい笑顔で話しかけてくる。

莉愛「渚はなんか私たちに気を使いすぎな気がするの」

渚「そうかな・・・」

それは確かにそうかもしれない。みんなに嫌われるのが嫌だから。

もしかして逆に鬱陶しいのかな?

莉愛「いいことなんだけどね、大丈夫だから」

渚「・・・ごめん」

莉愛「そこも渚のいいところだよ?」

満里奈とのこともあったから、なるべく気をつける気でいた。でも普通に接して欲しいのかな?

「ブー」

渚「ん?・・・あ」

満里奈からのLINEで一言、「ごめん」とだけ。

満里奈のせいで気を使ってるわけじゃないよ。ごめんね。




学校を終えたあとは、ボクシングジムに行った。

ジムが空いてる時間は19〜21時。

帰りは疲労感がすごくて、全身が痛くて、汗はびっしょりだけど、やり切った爽快感がある。

自分の家に帰る途中の交差点で立ち止まり、

スマホを確認する。

渚「あっ」

大からLINEが入っていた。

大「明日バイト?ドライブ行かない?」

うわ・・・これってなんだか・・・青春っぽいかも!!!

絶対楽しいはず!大学生になったて感じがするなあ。

大「明日学校の前きてくれたら迎え行くよ?」

渚「行きたい!」

大「よし!9時に迎え行くから!」

きっと最高の日になるはずだろうな。


渚「ふうー」

シャワーを浴びて、ベッドに横たわる。

渚「そうだ」

この前友達と夏服を買いに行ったが、買い物袋から出してないことに気づいた。

明日は暑いみたいだし着てみてもいいかも。

鏡の前で来てみたけど似合ってる・・・かな?

でもダサいって思われないか不安・・・。

まあでも明日は気にせず楽しも!

・・・とはいえみんなおしゃれなんだろうな。

それにしてもどこ行くんだろ?

ボーリング?ブランドショップ?もしかしてクラブとか?

気になって寝れない。ちょっと怖いし、不安。

楽しめるといいんだけど・・・




次の日は5時に起きた。期待と不安で全く眠れず、3時にやっと寝れたよ。

でも今は不思議と眠くない。きっと楽しみで仕方ないから。

そして時間もあるし、一応シャワーを浴びることにする。

朝シャワーって気持ちいいな。それにしても結構体変わってきた気がする。

そのあとはネットサーフィンをしていたけど、

大からLINEが来た。もう起きているんだな。

大「もう起きてんだな」

渚「楽しみでさ!何でわかったの?」

大「インスタがオンラインだったからさ」

インスタなんてほぼ使わないけど、そうやって確認する方法もあるのか。勉強になる。


大「しっかり抜いとけよな?」

渚「え?」

いきなりの下ネタに少し戸惑った。

大「今日は夜まで遊ぶからな笑。我慢は体に毒だぞ?」

下ネタは得意じゃないけど・・・しておこうかな?いや流石にしないけどさ。

莉愛「おはよ!」

莉愛からもLINEが来る。

莉愛「暇だし電話しない?」

え・・・電話?俺と?マジで?

女の子と電話なんて慣れてないよ。正直普通に話すより緊張する。

落ち着け。そう自分に言い聞かせる。それでも鼓動はますます速くなるばかり。

「ブー」

返事を待ち侘びたのか、電話がかかってくる。

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お人好し大学生は普通の恋愛がしたい リカルド @Ricardo1234

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