第19話 降臨

ダンブルの困惑した顔が浮かぶーーー

「ん?魔力が使えない。こんなことは今までなかったが。」ーーー


見張りの焦った顔が浮かぶーーー


「それが、なぜか皆、魔法が使えず驚いていて・・・。」ーーー



(これが走馬燈、ちゃんとみんなの話を聞いていれば・・・。こんな初心者みたいな死に方、嫌だなあ。)


レオの顔からは涙がこぼれる。悔しさか、それとも苦しみからか。



(ん?何だ?突然魔力が・・・!これなら!)


突如レオの魔力が戻る。

その瞬間、魔力を使ってバーベルを吹き飛ばした。


勢い余ってバーベルは高く舞い上がった。


ゴオーーーン。金のバーベルが落下し、地面が揺れる。


「ぜえ、ぜえ、た、助かった・・・。」


バーベルを見やると、落下の衝撃で割れている。

これでは続きができない。


「またダンブルに作ってもらわないと。そういえば皆帰ってこないな。さすがに疲れた。今日はもう上がるか。」


レオはジェネレートでプロテインを生成した。


ダンブルを探しに入り口へと向かっていく。


カツ、カツ、カツ、


入り口に近づくと、ダンブルの叫び声が聞こえてくる。


レオは、ジムの入り口に立った。


するとそこには、泣いている夜のメンバーたち、剣を構える10数人の知らない人たちがいた。


「どうしたんだ?」


**【グレン視点】**


(何だ、なにが起こっている?神だと?)


グレンは焦っていた。突如叫び出すダンブルと、徐々に強くなっていくプレッシャー。紫色のオーラがドアの向こうからあふれてくる。


(あれは、魔力?そんなはずは、あれほどの量、見たことがない。)


「グッ、立っていられない!」


グレンはしゃがみ込みながら、辺りを見渡すと。仲間は全員、失神していた。


「クッ、ここまでか。せめてなにが起こっているのかだけでも・・・!」


意識が飛びそうになるのを耐えながら、目を凝らし、ドアの先を見やる。


「どうしたんだ?」


声の元には、でかい男が立っていた。

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