青シソ
僕が食事当番の日に、よくベランダで収穫してくるやつ。君にも何度か収穫してもらったことがあるし、葉の形は見慣れてるだろうから、どれかはきっとわかるだろうね。花や実も食べられるし、種から育てると芽も収穫できるから、気が向いたら試してみるといい。
ある程度の時間日が当たれば、日陰でも育てられる。病気の防止のために、風通りのいい場所に置いてやってほしい(つまり、必然的に外で育てることになる)。
美味しく育てるためには肥料が重要だ。切らさないように注意すること。水は乾燥させないように注意しながら、しっかりあげていい。
ヘリオトロープとはまた違う方向性で口数が少ない。職人気質、というのかな……。育てるのは難しくないんだが、どう育ちたいか拘りがあるみたいだ。それこそ肥料を切らした時はずいぶん怒らせてしまって、味の薄いシソをしばらく収穫する羽目になった。一度に大量に収穫できるから、君が食事時に後悔しないように育ててやってくれ。
ただ、彼のこだわりに根気強く付き合ってやれば、そのぶん美味しいシソが食べられる。夏ごろ、そうめんと一緒に出したシソに僕が感動していたのを覚えているかな? あれは実は、彼のこだわりに完璧に付き合った結果できた、今まででいちばん美味しいシソだったんだよ。
こだわりにうまく付き合うコツは、土の状態をよく見ること。あまり多くを語ってくれない分、土の状態はすごくわかりやすい(と、僕は思っている)。
例えば、肥料がもっと欲しい時は、普段よりも肥料が減っていくスピードがやけに早いように見えるとか。じっと見てみると面白いよ。
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