第13話 悪魔祓師
千夜子の言う通り公園には人はあまりおらず。犬の散歩やランニングをしている人が、合計で三人程度。遊具はなく、雰囲気としては小さな自然公園のような感じである。
「森に誘い込むのじゃ」
公園の象徴でもある大きな池の奥には遊歩道のある小さな森があった。
「それはいいアイデアだね」
エリザベートと千夜子が森の中へと入ると、後をつけてきていた影もささっと移動する。
「かくれんぼはそこまでにしたらどうじゃ?」
くるり。エリザベートが振り返りながらそう言った。
「あれ? もしかしてバレてました? さすがは悪魔……たちが悪いですね」
「たちが悪いのは尾行してきたおぬしのほうじゃろう」
木の陰から姿を現したのは、パーカーのフードをかぶった少女であった。金髪碧眼、歳は高校生くらいに見える。
「
「なんじゃおぬし、我と勝負するつもりか。しかし、よく気がついたのう。親戚に猫かカラスでもおるのか?」
「馬鹿にしないでください。私はプロの悪魔祓師、あなたから漏れ出る魔力を見逃すわけがないです。さ、そこのお姉さん、もう大丈夫ですよ。あなたを悪魔の呪縛から救い出してあげます」
突然話を振られた千夜子はちょっとびっくりした顔。
「あの、別に私困ってないよ?」
「困ってるはずです! ああ! もう悪魔に惑わされてるんですね!」
「私は一緒にいたいんだけど、だめかな?」
「だめです!」
悪魔祓師の少女が厳しく言い放つ。
「悪魔と人間が一緒にいるだなんて、絶対に危険です!」
「そうは思えないんだけど――」
「おぬしが用があるのは我じゃろう」
真剣な悪魔祓師と苦笑いする千夜子の間にエリザベートが割って入る。
「今すぐに、祓ってあげますよ」
そう言うと悪魔祓師の少女は、自身の肩掛け鞄の中に手を突っ込んだ。
その時、どこからともなく唸り声が聞こえた。
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