第5話 下着と魔法
エリザベートの眼帯はとてもしっかりと装着されており、髪を洗っている最中にもズレることはなかった。
「すごいね」
「なにがじゃ」
「エリザちゃんの髪、本当に綺麗」
「あ……ありがとなのじゃ」
絡むことも引っかかることもない長い黒髪。丁寧に洗い終えてから優しく握って水気を絞る。
「ところでエリザちゃん。着替えはあるのかな?」
続けて身体を優しく洗いながら、千夜子が尋ねる。
「明日には届くはずじゃが……」
「じゃあ今日は私のシャツでいいかな? あ、下着はどうしよう。さすがにサイズが合わないし、共用は嫌だよね」
「別に千夜子の下着は嫌じゃないぞ。だが言う通り、サイズが合わんな」
大人と子ども。相当な体格差がある。
「どうしたらいいかなぁ」
「人間界で使うのは避けたかったが、今日は術を使う」
「術?」
「服を洗わずに綺麗にする術じゃ。魔界の長旅で良く使用する魔法じゃな」
「魔法使えるんだ! って、魔王の娘だからあたりまえだよね」
「本当は人間界を知るために洗濯機で洗うべきじゃが、いたしかたない」
真面目なエリザベートに千夜子は感心する。
「今日は人間界初日だし、魔法で解決してもいいんじゃないかな? ところでお姫様、私の髪と身体の洗い方はどうでしょうか?」
「き……気持ちいいのじゃ」
「それはよかった。あがったら髪乾かしてあげるからね。っていうか乾かさせて! もう、エリザちゃんの髪が綺麗すぎて!」
「そんなに気に入ってくれたのか? ちょっと照れくさいけど……乾かすのもお願いなのじゃ」
「身体も拭いてあげるからね。っていうか拭かせて!」
エリザベートの肌が綺麗すぎて千夜子は(以下略
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