秋の陽光が眩しい、地方の観光地。
蘭子は同級生・亜矢と二人旅を楽しんでいる。
蘭子の心に翳を落とすのは、同じ職場の理不尽な男・田北の存在。
彼は声の大きさで他人の成果を奪い、ごますりとパフォーマンスで上に行くタイプだった。
今、ビルの間から顔を出している樹々の塊り。
あれは「縁切り神社」だと亜矢から聞いて、蘭子は思う。
「あの男の名を書いてやろうか。」
リアルな日常の息苦しさを、旅の情景と淡い神秘性が優しく溶かしていきます。
最後に彼女の独白に触れたとき、読み手は何度も頷いてしまうかもしれません。
現状に迷うすべての人に読んでほしい、魂のデトックス・ストーリーです。