『怪奇蒐集家』の柔らかで巧みな語り口に、ひきこまれました。馴染みのある「デバイス」たちが、日常を、一瞬、非日常に書き換える。その瞬間のクラッとするような、ゾッとするような、不思議な感覚が癖になります。※5話まで読んだのですが、どの話も面白いです。全話読んでからレビューを書くべきか迷いましたが、粒ぞろいなホラー短編集で早くオススメしたくなりました。
ワイヤレスイヤホンのノイズキャンセリング機能という、現代人にとって身近な「文明の利器」を、世界の境界線を踏み越える「魔導具」へと変貌させた、読み応え抜群の現代怪談です
良質な怪談語りが好きな人は、絶対気に入ります。試しに「そのイヤホン」を読んでみてほしいです。物語の厚みに圧倒されます。ていねいな描写のおかげでM君の心情やあのシーンがありありと伝わってきます。また「その間取り」が好きで、機械の不調で済まされない得体のしれなさがまとわりつきます。なぜソレがあるのかという疑問も恐怖を引き立てます。