17話

俺たちは、適当に居酒屋を探してそこに入った。


意外とむさ苦しい爺さんやちょっかいをかけてきそうな集団はいない。


もしかして、意外と治安は良い?


「さてさて、どんな料理かな?」


初めての異世界料理に胸が心なしか楽しみだ。


けど、メニューがない。


そこにスッタフさんというか看板娘がきた。


「いらっしゃいませ!ウチは、魚料理が定番になっています。お肉料理もありますよ。」

「俺は、魚料理でお願いする。二人も好きなのを言ってくれ。」

「私は、お肉料理二つお願い!」

「私も魚料理でお願いします。」


うん。このエルフは腹ペコキャラで決定だわ。



しばらくして、料理が来た。


「おおー」


これは、何というか、うん、普通だな。


「美味しそう!」

「焼き魚ですね。」


軽く説明しよう。


 魚料理は、とりえず秋刀魚みたいな魚を焼いた感じ。味付けとして、ソースがかかっている。


 肉料理は、意外と手が込んでおり、ちゃんと煮込んだ肉が香ばしい匂いを出しながら湯気を出している。



「いただきます。」


とりあえず、味だ。日本人だから、味にはうるさい、味が良ければ文句はない。


「何それ?」


このくだりを説明しないといけないのか。


「俺の国での、食べ物に対する感謝を表す儀式、礼儀だ。」


セレフィーネも面白そうに真似た。

ついでにエレナも。


「こんな感じに手を合わせる感じで、いただきます。」

「いただきます。」


ここで俺は、「ここでは、どんな風に食べるのか?」などと聞かない。

だって、興味ないもん。知っても、使わないし。


魚を一口分切って口に運ぶ。


「こ、これは!?」


 正直に言って、酷い。味のないガムを食べている感覚だ。一応、魚独特の風味はあるが、これは、味付けなしはキツイ。


うん、ないな、これは。

はい決定!料理革命いつか起こします。(日本人魂)


「んんんー、おいひぃー!」

口に大量の肉を詰め込んでいる腹ペコエルフ。どうやら肉はうまいみたいだ。


「っ?これが、魚料理なのですね。」

初めて庶民の料理を食べているせいか、エレナは興味深そうに食べている。


違うぞエレナ、簡単な魚料理でももっと味がだせるぞ。


追々俺が料理の神髄を味わせてやるぜ。




お腹を満たした後、セレフィーネと情報を共有した。


「嘘!?私の国からそんなに離れていたの?」


ルミナエル王国は、クロード王国のさらに先らしい。


えぇ、どこまで逃げてんの?東京から島根くらいやぞ(ドン引き)


「あとは、正確な地図があれば文句なしなんだが、この街にあるかどうか。」


「地図があると、何?もしかして!?また、飛ぶの!?無理無理、体持たないって!」

「ジュンイチ様?」


セレフィーネは俺になぜか恐怖し、エレナは笑っていない目で見つめた。


いや、誤解なんです!


「違う違う!今回は、飛んだりしないから。安全安心をモットーにした魔術だから。」


んん、これは実演でしか信じてもらえないだろうなぁ。


「まぁ、とりあえず地図手に入れようか。いや、本当メッセージを送るだけだから。」

「メッセージ?手紙を送るの?」

「不本意ですが、飛んだ方が早いと思います。」


へぇ~、俺のことまったく知らないとはいえ、舐められているな。

こりゃ、浪漫を追い求めた上の副産物を見せないといけないといけないな。


「もう、見せりゃいいんだろ、見せれば。」


定食屋?から出た後、地図が売っているお店まで来た。


「いらっしゃい」


お店の中は、骨董品を取り扱っているらしくお爺さんが経営している。


「おお、これは壮観だねー。魔導書とか装飾品がたくさんあるね。」


やっぱり男の子は、珍しい物を見ると心が躍るね。


「これ何かな?何か分からないけど、面白そう!」

「この装飾品など、この服に似合うと思うのですが。」


女子二人は、女子会を始めたので置いてきた。


「店主さん、エルフの国ルミナエル王国までの正確な地図はありますか?」


店主は記憶を探りながら後ろの箱を漁りだした。


「うーん、どうだったかな。そこまで遠い地図は置いてあったかな。」


時間がかかりそうだから、軽く商品を見てみるか。


『歴代聖女の伝説』『初級火魔法』等、意味深な指輪、腕輪。

うーん、特に惹かれるような物がないな。


「あった、あった、何年も前に仕入れた後そのまま埋もれておったわ。」

「本当にあったの!」


セレフィーネは地図があることに驚いていた。


「この地図は、そうだな、金貨二枚だな。」

「高っか!」

「え?!」


エレナとセレフィーネの反応を見るところ相場の何倍も高い値段を出されたか。


「地図は、銀貨50枚のところを4倍の値段!!法外だよ、それ!」

「なんじゃと!この値段に不満があるのか!正当な金額じゃぞ。」


セレフィーネと爺さんが口喧嘩を始めた。


「エレナ、どう思う?」

「どう思うとは?」

「俺は、かなり遠い所から来ているからここら辺の相場が分からないけど、二人の反応を見る限り、かなり高いんだろう?交渉してみる価値ある?」

「なるほど、たしかに高いのは間違いありません。しかし、ルミナエル王国までの地図があるのなら、金貨一枚まででしょう。」


 金は、現在たくさんあるのでそこまで惜しくないが、ぼったくりか価値相当の理由がなければちょっと脅すか。(エレナの権力で!)


「爺さん、その地図を見せてくれないか。」

「少しだけじゃぞ。」


ふむふむ。分からん!


「エレナ、すまん、これ正確な地図か確かめてくれ。」

「わかりました。」


しばらく、エレナは地図を見つめた。


「はい、間違いなく本物かと。すこし荒っぽいですが。」

「仕方ないじゃろ。数年物なんじゃから」

「金貨二枚の理由は?」

「金貨二枚で買ったからじゃ」

「いやそれ、おじさんが失敗しただけじゃん。」

「し、仕方ないじゃろ!勢いで買ってしまったんじゃ。」

「知るか!」


この爺さんの自業自得じゃん。なら、こうしよう。


「なら、こうしよう。ここの商品いくつか買うから金貨一枚で売ってくれ。これなら、文句ないだろ。」

「ううむ、よかろう。三点までじゃ。」

「うし、交渉成立。エレナ、セレフィーネで何か好きなもの選ぼうか。」

「いいの!」

「いいのですか?」

「いいの。どうせなら、綺麗な装飾品にしたら?」

「なら、ジュンイチ様に選んでほしいです。」


エレナが俺の右腕に腕を絡めて、引っ張っていく。


え!ちょっと、アレが当たっているんですが?!しかも、なんかいい匂いがするな。


オタクには刺激が強いです。


「その、この青い首飾りはどうかな?エレナの瞳は、青色だからそれに合わせたんだけど、どうかな?」

「っ!嬉しいです。この、首飾りは一生大切にします!」

「お、おう」


エレナが想像以上に喜んでくれた。めっちゃ頭腕にスリスリしてくるやん。


 うしろでは、何故か目のハイライトが消えているエルフが一人、瞬きもせずただ二人を見ていた。


「ひぃ!」


店主は静かに恐怖し、矢郷の無事を祈った。


「じゃあ、セレフィーネには赤色のブレスレットはどうだ?なんか、明るい感じが赤色に似合いそうじゃない?」


実を言うと、ただ俺が赤色大好きなだけです。はい。


「これ、いいの?わたしが、貰って。」

「??いいぞ、普通に?」

「そう」


セレフィーネは、そのブレスレットを大切そうに胸に仕舞い込んだ。


 実は、矢郷は知らないがこの世界では赤色の装飾品を送ることは、かなり強い恋愛的意味をもつ。


また後ろでは、エレナがハイライトなしの目で見ていた。


「もう、やだ」


店主は、矢郷はもうだめだと悟った。


「俺は、『歴代聖女の伝説』でいいや。」


三人とも決まったので店主に商品を見せた。


「うむ。なら、約束通り金貨一枚で」

「ほい。」


 地図も手に入ったし、エレナの好感度も上がったし一石二鳥やな。これで、なんとか首はつながったはずだ。


「夜が来る前に、宿に戻ろうか。夜が来るとやりにくくなるし。」

「なんで夜が来るとやりにくいの?」

「それは、宿で説明するわ。」





しばらくして、宿に着いた。


「漫画でよく見る、普通の宿って感じだな。」

「どゆこと?」

「いや、なんでもない。」

「私、宿なんて初めてでとても楽しみです!」


エレナは、意外と楽しそうだ。


中は、真ん中に受付があって右に七つほどのテーブルが並んでいる。


二階が宿になっている。


早速二階に上がって、部屋に入った。


「うん。ベッドが三つだけそれだけ。それ以外何もなし。普通だな。まぁ、宿に何も求めていないんだけどね。

 あれ?ベッドが三つ?一つの部屋に?セレフィーネさん?」


「ごめんね。他は、埋まっていたの!てへ」


「………」(矢郷は上を見て考えるのをやめた)

「………」(エレナは顔を真っ赤にしている)





ーーーーーーーー作者コメントーーーーーーーー


書き終わってみたら、3000文字超えててびっくり!

いや、文字数見ないでやっているから。


さて、ちょっとだけヤンデレが出ています。

やっぱり、ヤンデレってね、静かに育つんだよね。

そんで、ある時に爆発するんだよね。




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