第24話 一件落…ペガスス寿司ナイト!?
「拙者に良い考えがある」
ドラゴンハンバーグ忍者はそう言った。
「願いを上書きすれば良いのだ。」
「と言うと?」
「拙者が魔物に操られない理由は自我があるからで御座る。つまり拙者と同じ願い方をすれば味方にできるのではないか。」
「成程、敵を味方にひっくり返すトゲか、悪くない案トゲね。将吾君、ビー玉の仕様を把握する必要もあるしとりあえず真鈴ちゃん、何か願うトゲ。」
「えっうん」
机に残った緑のビー玉を握って適当に考える。
…寿司食べたい
ビー玉はぴくりとも反応しない
「…何も起こんないね」
「将吾殿、やってみるで御座る」
「わかった!やってみる」
ビー玉を将吾は握りしめる。
・・・
・・
・
「よし!願ったよ」
ビー玉が光り始める。その光の中から現れたのは…
西洋甲冑の騎士。それが第一印象だった。
だがなんか鎧に刺身みたいなパーツがカラフルに張り付いている。
「我が名はペガスス寿司ナイト!正義の騎士である。」
「ペガスス寿司ナイト!?」
またなんか色々混ざってんな
「また変なのが出てきたで御座るな」
お前が言うなドラゴンハンバーグ忍者のくせに。
「とりあえず願いは複数願った場合はまとめて出力されるっぽいトゲね。願った人が変わった事による影響は…ペガスス寿司ナイト、兜を脱いで欲しいトゲ。」
「断る。吾輩将吾少年の言う事以外聞きたくないのでね」
こいつら将吾君好きすぎだろ。
「兜をとってくれる?ペガスス寿司ナイト。」
「仰せのままに将吾少年」
兜を脱いだ騎士の素顔は…ディープ・ネイドだった。
反射的にドラゴンハンバーグ忍者は剣を構える。
「待ちたまえ君たち、素顔は他人だが私の自我はペガスス寿司ナイトだ」
「つまり違う人間の願いを吸収した場合上書きされずに足し算される訳トゲね。元のキャラが薄かったせいでぱっと見上書きされてる用に見えるトゲけど。」
「まあ、そういう所だね。」
「色々わかったトゲから馬とか邪魔だし一回ビー玉に戻して欲しいトゲ。」
「戻れ!ペガスス寿司ナイト!」
スス寿司って言いづらいな
ペガスス寿司ナイトは光って元のビー玉に戻る。
「とりあえず、今後の願望機兵の扱いはこの方針で行くトゲ」
アーちんが取り仕切る。
「あとこの方法を知ってる以上恐らく今後も将吾君が狙われる可能性はあるトゲ。」
「かといって私達がつきっきりってわけにもいかないよね」
「だからとりあえず護身用として二つのビー玉は君に預けておくトゲ。ドラゴンハンバーグ忍者もそれで良いトゲね?」
「構わぬ。」
そう言ってドラゴンハンバーグ忍者もビー玉に戻る。
「じゃあそう言う事で今日は解散トゲ。」
「気をつけて帰ってね」
「うん!またね!」
「一つ言い忘れた。」
将吾のポケットからドラゴンハンバーグ忍者が飛び出す。
「真鈴殿、今後助けが必要になったら拙者を呼べ。いつでも助太刀致す。」
「…わかった。ありがと!」
「礼には及ばん、拙者は
忍者は再びビー玉に戻る
夕暮れの
「なんだかんだ良い奴だったトゲね」
「心強い味方だよ。さて、とアーちん。」
「なんだトゲ?」
「新情報多過ぎて報告書が一枚に収まらないんだけど!」
「…手伝うトゲ」
***
地獄の報告書作成を終え、
「しかし泥地哀浜まで行って帰るとどうしても遅くなるよね。日没早くなってすっかり暗くなっちゃうし」
「まあ最近メインの事件が泥地哀浜ばっかりだったトゲからねえ。
「あ!それで事務員さん昨日から居かったのか。何の出張?」
段々アーちんの説明しなさにも慣れてきた。
「確か…怪人やら願望機兵やらの新たな敵の出現が泥地哀浜支部の周辺で起こりまくってるから魔法少女戦力拡大の依頼に行くって言ってたトゲね」
「戦力拡大…ってどんなの?」
「本部の魔法少女の派遣とか新たなステッキの譲渡、あとは新規魔法少女のスカウト許可とかトゲね。」
「へえ〜…あれ?私の時ってスカウト許可されてたのアーちん?」
「スカウト許可はされてたトゲよ。その後の戦闘については事後承諾トゲけど」
こいつ結構グレーな事してんな
「まあとりあえず魔法少女増えるかもなんだね」
「君の魔法少女人気も危ういトゲね。元々あんまりないけど。」
「おうおう買うぞその喧嘩」
「トゲトゲトゲw(笑い声)」
2人の会話が月夜に溶けていく。そろそろ秋だ。
_____________________
続く
次の更新予定
2025年12月10日 15:00
ウニの魔法少女 トッタネスカ @tottanesca
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