第22話 チーズinハンバーグ忍者!?

「絶対勝って!忍者ヒーロー!」


「御意!」


一人残ったドラゴンハンバーグ忍者はディープ・ネイドと呼ばれた怪人少女に向き直る。


「…貴様、姿形は魔法少女とやらに似ているが…人間ではないな?」


「…。」

返答はない、と言うより反応が全くない。人の形をした操り人形の様であった。


「ご明察トゲ。」

そう言って現れたのはアーちんだった


「彼女の姿は魔法少女をコピーした怪人、サメの魔法の使い手トゲ。でもそれならドグラ・マグロが出向く必要はなかったトゲ。」


アーちんはディープ・ネイドに目をやる。


「さっきからあの怪人は命令された行動以外に無反応トゲ、人とは思えない程に。ここから推理しておそらくは君と同じ願望機兵ってやつトゲね。」


「成程、細かい事は知らんが斬って良い相手という事だな?」


「話が早くて助かるトゲよ」


忍者は迷いなく大剣を構える。

同じくディープ・ネイドも日本刀型のステッキを構える。

二つの願望機兵が静かにじりじりと間合いを詰めていく。


ガギィイ!


瞬間、二つの剣は激しく衝突し鍔迫り合いになる。


「パワーではこのドラゴンハンバーグ忍者に部があると見た!押し切らせて貰う!」

徐々に日本刀型ステッキを忍者の大剣が押していく


「…『撞木ハンマーヘッド』」

不意にディープ・ネイドは呪文を発する。彼女の日本刀を押す力が重みを増していく。


「ム!?押し返すとは…見事!」


ドラゴンハンバーグ忍者は鍔迫り合いの姿勢から体を捻りディープ・ネイドの刀を横に受け流す。

「おまけだ!」

そのまま回転したドラゴンハンバーグ忍者は、龍の尾でディープ・ネイドを薙ぎ払った。


「…!」


受けきれずディープ・ネイドは数メートル吹き飛ばされる。


「まずは一本…でもないか」


「『丸鋸ヘリコプリオン』」

土煙の向こうから丸ノコ状の光輪が飛んでくる。


「飛び道具とは面白い!」


忍者は大剣で丸ノコを弾き飛ばしディープ・ネイドに向かって斬りかかる。


「…ッ!!」


辛うじて刀で受けるもディープ・ネイドは忍者の勢いを止められない。


「覚悟_


忍者がそう言いかけた時、突如ディープ・ネイドは刀を手放した。


ドラゴンハンバーグ忍者の思考が一瞬止まる。

彼女はその隙を見逃さなかった


「『噛牙メガロ』」


ばくん


出現した巨大な牙が忍者に噛み付く。牙は大き忍者を噛んだまま後ろに投げ飛ばす。


空中で大きく体制を崩した忍者を突如何かが切り裂く。それは先程弾いた丸ノコだった。


辛うじて着地したドラゴンハンバーグ忍者の左腕は肩から切り落とされいた。切り口からチーズが溢れている。


「ドラゴンハンバーグ忍者!」


「心配するなアーちん殿、拙者は人間でござらん、この程度の傷で…」


「君チーズinハンバーグだったんトゲね!」


「それは今どうでも良いで御座ろうが!将吾殿がそう願ったんだから仕方ねえで御座ろ!」


願い、というワードがふと忍者に引っかかった。


「フ…安心せいアーちん殿!」


ゆっくりと立ち上がり、片手で大剣を引きずって構える。


「拙者は死なぬ」


その顔はディープ・ネイドを見据えていた。




_____________________

続く

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