第21話 お前何吹き込みやがった!
「次は貴様だ。」
魔物を蹴散らしたドラゴンハンバーグ忍者は静かにそう告げる。
「まだ終わってないトロよ」
吹き飛んでいた数体の魔物の中から二体が起き上がり負けじと突進する。
ギィィェェィィイ!
ゲェェア!
「…確かサメと、亀か」
「何を言ってるトロ」
ドラゴンハンバーグ忍者は凄まじいスピードで向かってくる魔物のうち、サメ型の方の鼻先を蹴りつける。
「足の速い方から潰させてもらう」
ギ…?ギァ…ア
よろめいて倒れたサメの魔物は上手く起き上がる事ができない。
「サメは鼻先が弱点だったな」
そこに一足遅れて亀型の魔物が突っこんでる。
「貴様はこれだ」
ドラゴンハンバーグ忍者は姿勢を低く落とし亀の魔物に足払いを喰らわせる。
体制を崩した亀の魔物の隙をつき、顎に一撃を入れ後ろにひっくり返す。
ゲェ、ェ
「亀はここから起き上がれぬ…だったか?」
ドラゴンハンバーグ忍者は悠々と倒れた魔物2体に剣を突き立てトドメを刺した。
「さっきはお預けして悪かったなマグロの魔物よ。今度こそ貴様の番だ」
「僕の選りすぐりの魔物をこうも容易く…流石トロねぇ…けど!」
ガシャン
と、校舎の方から音がした。
「!?」
正面玄関からゆっくりと此方に歩いて来たのは暴れる将吾を引き摺る怪人少女だった。
「離せよ!」
「将吾どの!」
「僕の方が一枚上手だったトロねえ…願望機兵の作り手は僕トロよ?君が図書室にいた事は筒抜けトロ、君の弱点がそこにある事もね。魔物はその為の時間稼ぎトロ。」
「…小賢しい真似を」
「強者の封じ方は結局これが一番トロねえ。さあ、大人しく
「…」
「ドラゴンハンバーグ忍者!そんな奴の言う事聞いちゃダメだ!」
将吾が叫ぶ。
「うるさいトロねえ」
「やめろ」
「やめるかは君の返答次第トロよ」
「………分かった。あの子に手を出さぬと誓うなら」
「良い返事トロ。じゃあまず玉の状態に__
「オラァァァァァァア!」
その時突如将吾を抑えていた怪人少女が何かに殴られて弾き飛ばされた。
「何だトロ!?」
「『
姿を現したのはモーニングスターを振り回す黒い魔法少女、ディアデマ✴︎アクスだ。
「ごめん平日で隣町に居たから遅くなった!君も今のうちに逃げて!」
「えっ何この人、敵?敵の人?これ」
将吾は理解が追いついていない様だ。
「敵じゃねえわ!私はウニとナマコの魔法少____。」
「拙者が言っていた知り合いだ!」
味方の加勢にいち早く気付いた忍者はすぐさまドグラ・マグロと距離を取る
「あー!あの臓物の人か」
「おいこら忍者この子に何吹き込みやがった!後君は早く逃げなって!」
来て早々騒がしい援軍だ。
「んー、これは撤退トロね。ディープ・ネイドちゃん、後は任せるトロ」
そう言ってドグラ・マグロは闇に消える。
「…。」
ディープ・ネイドと呼ばれた怪人少女は日本刀型のステッキを此方に構える。
「私も…」
ディアデマ✴︎アクスがモーニングスターを構える。
「手を出すな!」
それをドラゴンハンバーグ忍者が止めた。
「ディアデマ✴︎アクス殿、将吾殿を連れて安全な場所に。此奴とは拙者がケリ付ける」
「…わかった。行くよ将吾くん」
ディアデマ✴︎アクスは将吾の手を引く。
「いてっ」
「あごめん刺さった」
衣装に棘が多過ぎる。
「貴様あ!」
ドラゴンハンバーグ忍者がキレた。
「ドラゴンハンバーグ忍者!僕は大丈夫だから!お願い一つ聞いて!」
逃げながら将吾は忍者に呼びかける
「絶対勝って!
それを聞いたドラゴンハンバーグ忍者は、怪人に向き直り大剣を構える。
「御意!」
_____________________
続く
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