第18話前 こいつ結局なんなんだよ!
変な動きがないか
要は結局何か起きない事には特に進展はなく何もない一日になってしまう訳だ。
「暇だねぇ…」
「そッスねえ」
休日なので一応
「泥地哀浜で魔物出現、場所は八幡谷学園トゲ!」
「暇じゃなくなったねえ」
「そっスねえ」
「言うてる場合トゲか」
「よっこらせ、クローゼスアップ…行くかぁ」
「最近変身が雑トゲね真鈴ちゃん」
***
現場に急行した私達の目の前にあった物。それは小学校を襲撃する三十体ほどの魔物とそれを叩き斬るドラゴンハンバーグ忍者の激闘だった。
「やはり魔物とは別の存在らしいトゲね」
ギャアァァァ
グゲゲガァガガァァ
ギギギィェェェ
やかまし過ぎる。魔物一体でも結構でかい声なのに。
「でやァァア!!」
ドラゴンハンバーグ忍者の振り払う大剣に数体の魔物が真っ二つにされる。しかし魔物の群れは中々減らず、すぐさまに忍者は囲まれる。このまま消耗させて数の暴力で負かす算段だろう。
「あーもう!しゃーなし、魔法使うよアーちん!」
「許可するトゲ」
「『
撃ち出された無数の針が忍者を取り囲む魔物の一体を蜂の巣にした。ついでになんとか致命傷を躱した魔物にも数本針が刺さっている。
「ドラゴンハンバーグ忍者!」
「…また貴様か!」
「針が刺さってる魔物は動きが鈍くなってる!そいつから狙って!」
「!?…御意!」
戦いの優先順位を付けたのかドラゴンハンバーグ忍者は『針姫冠』の刺さった魔物を斬る。
ギィィ!
先程の攻撃で私の方にも十数体ほど魔物が向かって来る。
「『
ギッ!?
1番手前にいた魔物が呆気なくお腹の口に平らげられる。後続の魔物が少し怯んだ。
「そんで『マジカルビーム』薙ぎ払い!」
額から伸びた光線を薙ぎ払って、満遍なく魔物を焼いていく。
「改めて対魔物でのウニの魔法はエグい強さしてるトゲね…」
その虐殺っぷりにアーちんですら若干引いていた。
「うえ〜」
急いで一気食いしてすぐ出したせいでちょっと気持ち悪い。あそうだ。
「『
「あんまり回復魔法を胃薬みたいに使わないで欲しいトゲよ」
ともあれ、こちらは片付いた。忍者の方に加勢し____
「確か、ディアデマ✴︎アクスと申したか」
ゴロンと魔物の首が転がってきた。向こうを見るともう全部倒していたようだ。改めてこの忍者はおっかない強さだ。
「助太刀、感謝致す。」
急に頭を下げられた。
「えっあっどう致しまして…?」
失礼だけどこの人礼儀とかあったんだ…
「アーちんより人間が出来てるッスねこの人」
「余計な事は言わなくて良いトゲよ」
「それで貴様らまた不法侵入とやらか?」
「今日は許可はもらってるトゲよぉ」
それは毎回貰っといて欲しい。
「普通に魔物倒しに来ただけッスよ今日は」
「魔物…この間も言っていたな。この物の
ドラゴンハンバーグ忍者は魔物の首を持ち上げて不思議そうに
「知りたいトゲ?」
「今後襲い来る可能性があるのなら、敵を知るに越した事は無かろう。」
「タダで、とは言わないトゲよねぇ?トゲトゲトゲw(ゲス笑い)」
つくづく下衆顔が似合うマスコットだ。
「何が望みだ。」
「ドラゴンハンバーグ忍者さんの存在は自分達人間や妖精から見ても全く新しいケースなんス。だから貴方の知る自分自身の情報を教えて下さいッス。」
「成程、確かに自己紹介がまだであったか。良いだろう。」
忍者は一呼吸置く。
「拙者はドラゴンハンバーグ忍者、この八幡谷学園を守るスーパーヒーローである。」
だからなんでこんな小学生ネーミングばっかりなんだよ。
「以上である。」
「終わった!?」
「拙者は気がついた時にはこの学校に居た。拙者が最初からそういう物であるかの如く、学校を守るという使命感に満たされておったのだ。それ以前の事はわからぬ。」
「割と生まれたてみたいトゲね。」
「結局なんなんだこの人」
あんまりよく分からない事が分かっただけだった。
__「知りたければ教えてやるトロ。」
「!?」
「…久しぶりッスね、ドグちゃん。」
黄間さんが睨みつける。
「お初に、魔法少女の御一行。僕はドグラ・マグロ。ドグちゃんと呼んで欲しいトロ」
その小さな魔物は不敵な笑みを浮かべた。
_____________________
続く
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