第17話 ドラゴンハンバーグ忍者!?

「姿が無い…幻視か?まあ良い。姿を現せばこのドラゴンハンバーグ忍者が成敗してくれる…」


(ドラゴンハンバーグ忍者!?)


(何スかドラゴンハンバーグ忍者って!?)


(ドラゴンハンバーグ忍者…声に出して読みたい日本語トゲね…)


(ほぼ外来語じゃねーか)


「…数は三。場所は…そこに御座るか」


突如ドラゴンハンバーグ忍者はこちら向いて切り掛かる。


嘘でしょ透明化してんのに!?


「_ッ『鎧姫冠パラディアラ』!」


咄嗟に透明化を解き防御する。


「なんでわかったトゲ」


「…隠れども獣は匂いでわかる」

やばいぞ強い人のセリフだ、なんかどっかで聞いた事あるけど。


「確かにうちの魔法少女は磯臭いトゲね…」


「えっそれマジ?」

私磯臭いの!?


「海辺だからかと思ってたけど言われてみれば磯臭いッスね」


「知りたくなかったんだけど」


「覚悟ォ!」

話を遮ってドラゴンハンバーグ忍者が切り掛かって来る。


「わーッ!ちょっとストップ!タンマ!」


鎧姫冠パラディアラ』でガードしてるとは言え対応できない速さで斬りかかられると普通に怖い。


「ええい待ったなし!とはいえ頑丈…拙者の超ハイパー最強ドラゴンカリバーで切れぬとは」


「ハイパー…何!?」


この男を構成してるセンスがあまりに小学生すぎる。いや小学生でもあんまやらねーぞ今時。


ふと攻撃が止んだ。


「よほど強者と見える。その方、何者だ」


"何者だ"はこっちの台詞だよ


「一応名乗っとくトゲ」


「え〜っと…知らざあ言って聞かせやしょう!恐れ多くもウニの魔法少女ディアデマ✴︎アクスたぁ私の事よ!」


「あいやそういうアドリブは求めてないトゲ」


「割と調子乗るッスよね岩ヶ瀬サン」


「なんで今私詰められてんの?」


「魔法少女…とな?」

聞き慣れてない様子だ。


「…もしかして、魔物じゃない?」


「人を魔物とは無礼な」

怒らせてしまった。


「違うっぽいトゲね」


「…何が目的で戦ってんスか?」


「この学校を脅かす者は何者であろうと斬る。それだけよ」

そういえば不法侵入してたのを忘れていた。


「…てことは、私達これから何もせず、大人しくここ出ていくからお互い平穏に…ってのは」


「…」

目のない網焼き目の顔なのにめちゃくちゃ表情が険しい。


「…ならば早くねよ」

ドラゴンハンバーグ忍者は渋々、超ハイパー…なんちゃら剣を納めた


「…あざース」

私達は一旦学校を後にした。



***



「…結局何だったのあの人?」


「ドラゴンハンバーグ忍者って何スか?」


「なんもわからんトゲね」


「とりあえず八幡谷学園に手を出さなきゃ襲ってこないっぽいからそこは安心だけど…」


そこで黄間さんが何かに気づいた。


「…ってことは今日襲われたのってアーちんが許可取らなかった所為っスか?」


「トゲ!?」


「確かに、避けれた戦闘じゃん」


「えーでも向こうの尺度で結果的に襲われたのを後から僕の所為にされても困るトゲよねぇ…」


こいつホント素直に謝んねえな。


「とりあえず支部に戻って報告トゲね。」


***


「〜という事があったトゲ」


「アーちん、貴方疲れてるのよ。」


「いやそれがマジの話なんですよ」


事務員さんがかつてないくらい神妙な顔をしている。そりゃいきなりドラゴンハンバーグ忍者とか言われてまともに対応できる方がおかしい訳だが。


「まあ要は魔法少女でも魔物、どちらにも属さない存在が小学校の守り神みたいになってたって話ッス」


「…なるほどね。」


黄間さんのナイスアシストでどうにか報告は伝わったようだ。


「ハァ〜…10年やってそろそろ前線退こうとわざわざ田舎の方まで来たのに、怪人だの忍者だの忙しくなって来たわねぇ」


「申し訳ないとは思ってるッス」


「とりあえずそのナントカ忍者が中立のうちは変に刺激して交戦しないようにしつつ、変な動きがないか八幡谷やばたに学園は要マークね。」


「「了解」」


事務員さんは今後の動向をテキパキと決める。


「あとアーちんは今度から建物に入る時は手続きしなさい」


「トゲ!?」


よかった、悪は裁かれた。


_____________________

つづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る