ドラゴンハンバーグ忍者編

第16話 そんな魔法みたいな事あるか!!

薄暗く広いどこかの空間。


「ご報告トロ」


ドグラ・マグロが頭を下げる

その目線の先に、それは居た。


青黒い、魚の体を滅茶苦茶に繋いで構成された球体。2010年代初頭に世界に魔物を蔓延させた球体だ。


「申せ」

球体は厳かに言う。


「複製魔法少女、通称『怪人』は確かに強力な戦果を上げてるトロ。しかし、現場での実戦において問題が生じたトロ。」


「ほう、問題と」


「人間に変身させてる所為で寝返ったり改心されるパターンが非常に多いトロ。そも悪事に喜んで加担してくれる人間が少ないのもあるトロが。」


「…それで洗脳を試したのではなかったのか」


「洗脳も一苦労でトロねぇ。魔法少女の変身機能には『願い』の要素が不可欠トロ。故に洗脳は無意識下で悪事への抵抗をなくす程度がギリギリ。心を壊して操り人形にするのは簡単トロけどそれだと魔物と同じで変身できなくなるトロね」


球体はどこにあるか分からない口で溜息をついて言う。

「そっかぁ…マジかぁ…良いアイデアだと思ったんだけどなぁ〜」



「マキューダ様、結局その感じのテンションになるのなら普段厳かな感じ出さない方が良いと思うトロ」


「だって悪の首領はキャラ付けが命じゃない」

球体、もといマキューダは無い口を尖らせる


「それで、複製魔法ステッキについては今後改良を加えていくとしてトロね。新しい戦力案を考えたトロ」


「優秀〜」


「それがこちらトロ」


「これは…」




***



一方、泥地哀浜どろじあいはま


アーちんと岩ヶ瀬、黄間は八幡谷やばたに学園に来ていた。


「ここで未登録の魔力反応があったらしいトゲ」


「魔物かなあ」


「聞き込みによるとなんでも願いの叶う石があるらしいッス」


「そんな魔法みたいな事ある訳ないトゲ」

お前が言うなよ。


八幡谷やばたに学園て私立小学校でしょ?私達入れるの?」


「その辺は大丈夫トゲ。ちゃんと許可を…とるのは面倒臭いトゲからさっさと変身して透明化するトゲ」


はい、とモーニングスターと金棒を渡される。

はいじゃねえよ


「クローゼスアップ!そんでクローゼス・オーバーラップ!」

岩ヶ瀬はC.Qホロスリアに変身する


「掛け声とかあったんスね」

黄間さんは感心している。


「別に何叫んでも良いトゲけどね」


「黄間さんはどうしてたの?」


「わかんないから適当に叫んでたッス」


「アーちん、私もしかしてちゃんと掛け声考えなくて良かった?」


「いつか役に立つんじゃないトゲか?知らんトゲけど、というかさっさと行くトゲよ」

この妖精はなんでこう戦い以外に興味が無いのだろうか。


「まいいや『偽装束アクトドレス』」

私達の姿が背景に溶け込む


「行こう。」


とは言え休日の小学校。特に何かあるわけでもなく適当に周辺の見回りが終わる。


「魔力反応はここからしてたトゲね。」

たどり着いたのは職員室前の落とし物入れだ。


「落とし物に混じってるんスかね。」


「…それっぽいのはこのビー玉ぐらいだけど。」

どう見てもただのビー玉だ。と思った矢先_


その時突如ビー玉が光り出した。


「!?」


「一旦離れるトゲ!」



光るビー玉はやがて人のサイズに大きさを変え、やがて光が消える。


「__何奴か」


そこに居たのは忍び装束を着た男だった。背中に竜のような羽と尻尾がついてる。顔には目も鼻もなく茶の焼き目のような傷が格子状に走っていた。竜の紋章の入ったでかい剣を持っている。


(要素盛り過ぎだろ)


「姿が無い…見間違えか?まあ良い。姿を現せばこのドラゴンハンバーグ忍者が成敗してくれる…」



魔法少女でも魔物でもなさそうだ。じゃあこの人は一体…えっ何ドラゴンハンバーグ忍者!?




_____________________

つづく

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