第6話後 は!?私悪役じゃねーし!!!
「自分は今日から配属の怪人ブルフィン・トゥナーっス!えっと…怪人連の人っスよね!」
「えっ」
怪人。少女は確かにそう言った。
「…離れるトゲ。」
アーちんが私に耳打ちする。混乱したまま私は後ろに飛び退く。
「『
アーちんは躊躇なく火球を撃つ。
「うわっちょッ何すんスか!…もしかしてアレっスか!?怒ってるんスか!?遅刻したから?」
ブルフィン・トゥナーと名乗る少女も何が何だかわかってないようだ。
「名乗るトゲよ」
「えっ…うん、私はウニの魔法少女、ディアデマ✴︎アクス!」
言われるがままに名乗り上げる。
「
「あっ聞き捨てならねえ事言いやがった!好きでやってる格好じゃないのに!」
言いながら私は『
彼女は凄まじい瞬発力で針をかわしていく。
「遅すぎるッスよ!ウニ怪人先輩!」
彼女は不敵に笑う。
キレそうになるのを抑えながら必死に冷静さを取り戻す。考えろ私、そしてふと思いつく。
「アーちん!…あの人」
「絵に描いたスピード自慢タイプトゲね」
「いや違くて、あの人一応人間ぽいけど怪我とかさせて大丈夫なの?」
冷静に考えた結果がこれだよ!畜生!
「!?あー…良く…はないかもトゲね…いやでもぉ…」
アーちんは物凄く言葉を濁している。
「多分駄目トゲね!!」
「攻撃しないなら、こっちから行くっスよ!」
私達の会話を遮りトゥナーは猛スピードで此方に襲いかかる。
「言ってる場合じゃないか!『
眼前に迫ったトゥナーと私の間に巨大な口が現れる
「ぎゃっなにこれ怖っ!?」
一瞬トゥナーが怯む。
「今だトゲ!」
「『マジカルビーム_____
至近距離で額から光線を放つ。
「危なっ!」
トゥナーは間一髪で身を捩り、ビームを躱す。
想定通りだ。
__湾曲ver』!!」
私は思い切り頭を振る。
額から伸びる光線は大きく波打ち、ブルフィン・トゥナーをとらえた。
大きな爆発が起こった。
……
…
辺りに土埃が舞っている。
「倒し…た?」
エネルギー切れ寸前で朦朧とする意識でアーちんに問う
「わかんないトゲ。とにかく今日はもう戦闘は無理トゲから、確認は後まわしトゲ。撤退するトゲ。」
そうして私たちは土埃が晴れない間に撤退した。
***
「沙羅〜ただいま〜」
ギリギリ体育祭の練習に間に合った。
「遅いよガゼちゃん、保健室行くのにどんだけ時間かけて…行く前より疲れてない?」
「あーちょっとお腹下してね」
適当にはぐらかす
「保健室戻りなよそれは」
それはそうかもしれない。
その時、終わりのチャイムが鳴った。
***
放課後
私は帰り道にあるの
「〜ってな事があったトゲ」
アーちんは通信機で事務員さんに報告している。私は公園のベンチからそれをぼうっと眺めていた。
「ん?真鈴?いるトゲよ?スピーカー?わかったトゲ」
不意に通信機がスピーカーモードになる。
「岩ヶ瀬ちゃん。聞こえる?」
事務員さんの声だ。
「はい」
「えっと、本部に連絡取ってみたけど、現在ステッキは全部所在が判明してるわ。盗まれた形跡もゼロ。つまり魔法少女の裏切りの線は無いわね」
「ただし一部のステッキに無断複製の跡が見つかったの。その中で今日戦った『怪人』と名乗る少女の特徴に合うのは…これね」
画像がアーちんの端末に送信される。
「マグロの…魔法…!」
「今までに無いケースだから次彼女が現れた時は私も向かうわ。引き続き本部も調査する。とにかく気をつけてね、岩ヶ瀬ちゃん」
「はいっ了解しました。」
それで通話は終わった。
公園から再び家路を歩く。
「なんなんだろうね怪人って」
アーちんに何気なく聞いた。
「んー推測トゲけど、まず妖精と人間が魔法少女を作るのに数年かかったトゲね」
「うん、習った」
「今はそれから十数年経ってるトゲ、もし仮に魔物と手を組んだ人間がいたとしたら__」
「…魔物側の魔法少女って事…?」
「有り得ない話じゃないトゲ」
魔物側の人間と人同士で戦う事になると思うと少しゾッとした。
「まあ元気出すトゲ。早く討伐許可降りてボコせると良いトゲね!」
「それはそれで良くないよ多分」
やはりこの妖精はなんか価値観が違う。
「それにしても今日の戦闘は工夫が光ってたトゲ!これも特訓の成果トゲね!」
もうやだこの
そんな私の嘆きを、
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