第2話 チュートリアル的なのが欲しいよ!
ウニの魔法少女ディアデマ✴︎アクスとアーちんの1人と1匹は桶丸第三高校に向かって走っていた。
「ところでさ、アーちん」
「何だトゲ?」
「私魔法の説明とか受けてないけどこのまま戦って大丈夫なの?」
「確かに勢いで来ちゃったトゲね」
「あダメなんだ」
「じゃあ説明するトゲね。魔法は呪文で発動すらトゲ。呪文の文面は決まってるから今から教えるトゲ。」
「唱えるだけで良いの?なんか力込めるとかさ」
「その辺はステッキが上手いことやってくれるから唱えるだけで良いトゲよ。ただ使える回数には個人差があるトゲね。」
「なんか簡単すぎて実感湧かないな」
1時間くらい前まで夢に見てた魔法がこうもあっさり使えてしまうとは。
「ウニの魔法の呪文は主に三つトゲ。針の魔法『
「なんかマジカルビームだけ雰囲気違くない?」
「ああそれは昨今検閲が激しくなって呪文が書き換わったんだトゲ」
「へー…(呪文に検閲って何があったんだよ)。あっ学校見えてきた!アーちん、魔物ってアレの事?」
「あれトゲね、見たところイソギンチャクの魔物トゲね。なんか名乗るトゲ」
「えっ。えー…ウニの魔法少女!ディアデマ✴︎アクス、参上!!…で良いんだよね?」
「あんまこっち見ない方が良いトゲよ」
「シンプルな駄目出し」
キエエェェェエア!
イソギンチャクの魔物が吠えた。
「さあ戦うトゲ!」
「えっうん。えーとじゃあ
『マジカルビー__」
「あっちょっとストップトゲ」
「_ーム』!」
…何も起こらない。と思ったら額から10cm程の光線が一瞬現れて消えた。
「小っさ!?」
「その魔法は最初から使えないトゲよ」
「だからそう言うのは先に言って…ってうわあッ!魔物めっちゃ来てる!」
イソギンチャク魔物はもう5メートルほどにまで迫ってきている。
「一回僕の言うとおりにやってみて欲しいトゲ。まずは『
「『
途端周囲に1mほどの黒い針が10個ほど現れ、魔物に向かって飛んでいった。
至近距離での攻撃に魔物は回避が間に合わず五本ほど針が刺さった
ギィィアァ!
かなり苦しんでいるようだ。
「この針には毒効果があるから最初に撃って弱らせるのが定石トゲね」
「そう聞くと敵キャラみたいだな私…」
その時後ろから回り込んでいたイソギンチャクの触手がディアデマアクスに巻きついた。
「ぎゃー!」
「まあ毒が回るのには多少時間がかかるトゲね」
「なんで毎回後から言うの!!」
「こういう時は『
「『
お腹の辺りからギリギリと何かが削れる音が聞こえた。
ばつん
次の瞬間胴に巻きついていた触手が食いちぎられる。お腹の口が食べてしまったようだ。
ついでに手足に巻きついていた触手もうどんを啜るように飲み込んでしまった。
ギッ…ァァ?
魔物は何が起きたか理解できていないようだ。
「この魔法は至近距離の物をなんでも吸収出来るトゲ」
「絵面がグロすぎるって」
「そしてここで『マジカルビーム(仮称)』だトゲ!」
「さっき失敗したじゃん」
「今度は大丈夫トゲ!」
「そうなの?じゃあ…」
魔物は毒が回ってきているのか先程よりも鈍くなっている。素人の射撃でも今なら外さないだろう。
「くらえ!『マジカルビーム』!!!」
ギィィェェアァァァァ……
額の第三の目から放たれた紫がかった光線によって魔物は跡形もなく爆散した。
「倒…した?」
「記念すべき初勝利トゲね」
「やったー!」
と素直に喜ぶにはなんか禍々しい技が多かった気がする。
「マジカルビーム(仮称)は
「ここまで戦い終わって言うのもなんだけどさアーちん」
「何トゲ?」
「やっぱり実戦前にチュートリアル的なのが欲しいよ。」
「善処するトゲ」
***
人目のつかないところで変身解除した岩ヶ瀬とアーちんは再び帰路についていた。
「ひとまず、これで不審者問題は魔物のせいにして解決トゲね!」
「こいつ冤罪着せやがった」
「死魔物に口は無いトゲ」
「今後やってけるかなぁ」
「とりあえず土曜日は新規魔法少女の登録手続きトゲ」
「めんどくさそ〜」
***
一方、桶丸第三高校上空で
空を浮遊する少女が校舎を見下ろしていた。
「魔物の反応が消えている。それに私が来るまでの十数分で、一体誰が…。まあ良い、敵ではなさそうだ」
それだけ呟くと彼女は空を泳ぐように隣町へと飛んでいった。
_____________________
つづく
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