雪原の静けさと死の気配が、淡々とした一人称の内面と重なっていて、読んでいる側まで体温がじわじわ奪われていくようでした。 「何かを掴みたかった」というささやかな願いと、そこで出会う存在たちとの距離感がとても切なく、情景が強く印象に残ります。小さな終わりと長い時間軸が同じ一枚の絵に収まるような読後感でした。