いつか夢見たコートに舞う

飛翔 光

第1話 入学

 小学6年生、私は出会った。高く飛んでそのオレンジ色のコートに舞う姿。大きなあこがれを抱いた。あんなふうに動いてみたいと思った。

 あの時出会っていなかったら、また別の道を歩んでいたかもしれない。でも、私は後悔はしていない。あの時、これに出会えてよかったと胸を張って言おう。



 桜の花びらが舞う頃、中学1年生になった私「空野翔華そらのしょうか」は、新しい中学校生活に胸を躍らせていた。

「わあっ!すごいっすごい!」

「ちょっと翔華ちゃん!」

騒ぐ私を止めてくれるのは、友達のあかねだ。

「ご、ごめんって」

「いいってことよ」

「そうはいってもさぁ〜」

「もうっうるさいよ?」

どちらからともなく吹き出した。

『あははははは!』

こうやって笑いあってきた仲だ。

「ま、まあ?楽しみなのは私もだし、別に否定はしないけどね!?」

どうやら楽しみだったのは私だけじゃなかったようだ。

「ふぅーん?」

ちょっとだけ、弱みを握れた気分である。

「悪寒がするんだけど」

茜は察しがいい。すぐにバレたようだ。

そんなこんなで、私の中学校生活は幕を上げた。

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