異能、魔術、呪術、剣術……さまざまな超常の力が存在する世界で、特殊な事件に挑む戦術討伐士隊・デュランダーナ。
個性も能力もまるで異なる彼らの活躍を描いた、バトルあり、謎解きあり、笑いありの異能アクション作品です。
まず惹きつけられるのは、独自の世界観と能力設定の面白さ。
剣士、運命使い、呪術師など、それぞれの力にきちんと理屈と特徴があり、「この能力をどう攻略するの?」という駆け引きにもワクワクさせられます。
それでいて登場人物たちの掛け合いは軽快で、シリアス一辺倒にならない読みやすさも魅力です。
けれど、最後まで読んで特に心に残ったのは、これは単なる「強者たちの物語」ではないということでした。
登場人物の多くが、後悔や喪失、罪悪感、自分への失望といったものを抱えています。
強いから傷つかないのではなくて、傷ついて、それでも誰かに手を差し伸べられながら前へ進んでいく。
そして誰かを救った者もまた、いつか別の誰かに救われる。
物語の中で繰り返し描かれる「仲間」という言葉が、読み進めるほどに重みを増していく作品でした。
未来や運命が見える世界だからこそ、それでも人が選び、抗い、可能性を掴もうとする姿も胸を打ちます。
熱い異能バトルが好きな方はもちろん、傷を抱えたキャラクターたちが少しずつ繋がりを取り戻していく物語がお好きな方にも、ぜひ読んでいただきたい作品です!
最後まで読み終えたとき、きっと「アルコ・イーリスの祝福を君に」という言葉が、最初とは少し違った響きを持って胸に残ると思います。