第4話 貿易都市タフト

冒険者ギルドに着くと、受付けに行った。

受付け嬢がギルドカードを見ると、ギルマスを呼びに行った。


(貿易都市タフト ギルドマスター ゲイナ:男)

よく来たな。

俺はここのギルマス、ゲイナだ。


(ナギサ・イシュタル)

ジョンだ。



ゴン!

ゲイナはカウンターで頭を打つ。


(ギルマス ゲイナ)

なんでだよ!超越者のナギサ・イシュタルだろ!

もう知れ渡ってるよ!


(ナギサ・イシュタル)

そうなのか?


(ギルマス ゲイナ)

当たり前だ。

ギルドの情報網、舐めるなよ。


(ナギサ・イシュタル)

なら、目的も。


(ギルマス ゲイナ)

いや、それは知らん。

ここまではギルド便でも15日はかかる。

お前ら、いつ出発したんだ?


(ナギサ・イシュタル)

10日前だが。


(ギルマス ゲイナ)

と、10日!

ま、まぁ、超越者ならあり得るか。

で、おそらく手紙か何かあるんだろ?


(ナギサ・イシュタル)

ほう、察しがよいな。


(ギルマス ゲイナ)

お前らほどのヤツが動くなら、ギルマスからの手紙なり紹介状を持ってくるのが慣例だ。


(ナギサ・イシュタル)

なるほど。


(メイド アンネ 女 エルフ)

これです。



クナンのギルマスから渡された紹介状をゲイナに渡すアンネ。


(ギルマス ゲイナ)

なるほど、分かった。

でだ……


(ナギサ・イシュタル)

断る。


(ギルマス ゲイナ)

いや、話聞けよ!

有益な情報がある。


(ナギサ・イシュタル)

なら教えてもらおうか。



ナギサは威圧を発動する。


(アンネ)

し、死にます、やめてください、押し潰されます(涙)


(ギルマス ゲイナ)

や、やめてくれるかな……これじゃあ話ができない……


(ナギサ・イシュタル)

なら、言え。


(ギルマス ゲイナ)

お前の探してる相手な、ここには居ないと思うぞ?

そんな飛び抜けたヤツはいない。

カンストしてんだろ?

そんなヤツ、この街には居ないぞ?


(ナギサ・イシュタル)

カンストしてるとは限らん。

飛び抜けてレベルが高いとも限らんぞ?


(ギルマス ゲイナ)

しかし、お前のツレになるぐらいのヤツだぞ?

何か兆しでもあると考えるのが普通だと思うが?


(ナギサ・イシュタル)

それも言えるが、覚醒前という場合もある。

可能性は潰す必要があるぞ。


(ギルマス ゲイナ)

因みにどんなヤツだ?


(ナギサ・イシュタル)

それは分からぬ。

ただ、この街に来れば居るというお告げがあったのでな。


(ギルマス ゲイナ)

お告げか……全く手掛かりが無いのと同じだな。



ナギサには確信があった。

毎回、貿易都市タフトで仲間が見つかる。

しかし、誰かは分からない。

いつも違ったからだ。


(ナギサ・イシュタル)

今回は空振りとかいうケースなんだろうか?(ボソっ)


(ギルマス ゲイナ)

ん?どうした?

しかし、お告げが必ず当たるとは限らんぞ?


(ナギサ・イシュタル)

それは言えるな。

空振りの可能性もある。


(ギルマス ゲイナ)

という事で、力を貸してくれるか?

オークの群が村を作りやがった。

ちょっと考えられんのだが。

で、その村の殲滅だ。


(ナギサ・イシュタル)

頑張れ。


(ギルマス ゲイナ)

それがそうも言えないんだな。

オークは200体いる。

頭はどうやらオークキングだ。

オークメイジも居る。

今まで討伐隊を出したが、悲惨な結果だ。

逃げ帰った者が言うのは、"集団戦を仕掛けてくる"と"考えられないほど連携が取れている"だ。

今までのオークの常識を覆す内容だ。

200体が集団戦で連携が取られたら、流石にこっちも勝ち目がない。

それに周辺の村々を襲い、勢力を広げながら、数を増やしている。

増え方がゴブリン並みだ、信じられない。


(ナギサ・イシュタル)

襲われて……か?


(ギルマス ゲイナ)

あゝ、悲惨なもんじゃないかな。

誰一人救出されていない。

苗床にされて、姦り殺されているんじゃないか?と噂されている。


(ナギサ・イシュタル)

救出はどうする?

場合によってはトラウマになり、まともに生きていけないかもしれん。

周りの目もあるからな。


(ギルマス ゲイナ)

任せる。

無理に救出しろとは言わん。

死なせてやるのも愛情かもしれんからな。


(ナギサ・イシュタル)

お前はどうするんだ?


(ギルマス ゲイナ)

同行する。

全ての責任は俺が取る。

生きるか死ぬかは本人達の好きにさせてやってくれ。


(ナギサ・イシュタル)

骨はどうする?


(ギルマス ゲイナ)

ギルドが責任もって引き取る。

今回の件の犠牲者の墓がある。

そこに埋葬する。


(ナギサ・イシュタル)

分かった。

いつ出発だ?


(ギルマス ゲイナ)

明後日で良いか?


(ナギサ・イシュタル)

構わぬ、何人だ?


(ギルマス ゲイナ)

ついて行くのは俺だけだ。

周りには超越者が来たと触れ込んでおく。


(ナギサ・イシュタル)

無理だな。

良からぬ噂が出る。

証人が必要だ。


(ギルマス ゲイナ)

なら騎士団に要請を出そう。

その代わり街長にバレるぞ。


(ナギサ・イシュタル)

構わぬ、邪魔するなら潰すだけだ。


(ギルマス ゲイナ)

そうきたか……

街長には俺から話をつける、それで堪えてくれ。


(ナギサ・イシュタル)

場合による。


(ギルマス ゲイナ)

上手く丸め込む、任せてくれ。



という事で、騎士団に要請を出した。


(騎士団団長:女)

ギルドから要請とは珍しいな。


(ギルマス ゲイナ)

今回は事情が違ってな。


(騎士団団長:女)

まぁ良い。

で、内容は?


(ギルマス ゲイナ)

例のオーク殲滅の件だ。


(騎士団団長:女)

やはり冒険者風情では歯が立たなかったのだろ?


(ギルマス ゲイナ)

それもある。

後、証人だ。

場合によっては救出を諦め、介錯するかもしれん。

その時の証人だ。

決して私利私欲の為に殺したのではないというな。


(騎士団団長:女)

ほう、それは良いが、どんな編成で行くつもりだ?


(ギルマス ゲイナ)

編成は任せる。

こちらは俺を含めて3人だ。


(騎士団団長:女)

は?バカにしてるのか?

それともお手上げか?

手柄は私達がもらうぞ。


(ギルマス ゲイナ)

上げられるならな。

こちらが行くのは"超越者"だ。

噂ぐらいは聞いているだろう。


(騎士団団長:女)

噂は聞いている。

しかし、与太話も限度がある。

不可能だ。


(ギルマス ゲイナ)

その不可能を可能にするのが"超越者"じゃないのか?


(騎士団団長:女)

まぁ、行けば分かる。

その話、了承した。



騎士団との話はついた。

後は明後日の出発だ。

出発当日……


(騎士団団長:女)

お前が"超越者"か?


(ナギサ・イシュタル)

さあな。

一応そう言われているが。


(騎士団団長:女)

まぁ良い。

その力、見せてもらうとするか(ニヤリ)



問題のオーク村に近づく。


(騎士:男)

団長、数が増えています。

今や300、この部隊では不安かと。


(騎士団団長:女)

300か、分が悪いな。


(ナギサ・イシュタル)

逃げるのか?


(騎士団団長:女)

戦略的撤退だ。

体制を立て直す。


(ナギサ・イシュタル)

問題ない。

行こう。


(騎士団団長:女)

死にたがりとは一緒には行けん。

私はこの部隊の最高指揮官だからな。


(ナギサ・イシュタル)

なら、見ていれば良い。



そう言うと、ナギサは進んだ。


(騎士団副団長:女)

どうします?団長。


(騎士団団長:女)

仕方ない、一定の距離を取り、ついて行く。

ただし、何かあればすぐ撤退だ。


(騎士達)

はっ!



ナギサについて行く騎士団。


(ナギサ・イシュタル)

ここか。


(ギルマス ゲイナ)

ここだ。

以前より数が多い。


(ナギサ・イシュタル)

では行ってこい。



そう言うと、アンネをつき飛ばした。


(アンネ)

えっ?……


(ナギサ・イシュタル)

欲求不満だろ?楽しんでこい。


(アンネ)

いっ、嫌ああぁぁぁっ!!(悲鳴)



特大の悲鳴を上げたアンネ。

オーク達が気づく。


(アンネ)

こ、来ないでえぇぇぇっ!!!(泣叫ぶ)


(ナギサ・イシュタル)

たかが300、大した事無かろう。


(アンネ)

アンタならそうだよね!(滝涙)


(ナギサ・イシュタル)

で、どうする?

オークなら食料にもなる、どうしたい?


(ギルマス ゲイナ)

本来なら食料と言いたいが、胸糞悪い、殲滅してくれ。


(ナギサ・イシュタル)

良かろう。

 【煉獄】



一瞬にして300のオークが灰塵になった。


(騎士団団長:女)

・・・は?


(騎士団副団長:女)

嘘でしょ!


(ナギサ・イシュタル)

さて、行こうか。

囚人の処遇だ。


(ギルマス ゲイナ)

あ、あゝ……



村の中の牢獄に行く。

そこでは凄惨な状況になっていた。

死んでいるのも居る。

苗床にされて孕んでいるのも居る。

もはや廃人になっているのも居た。


(ナギサ・イシュタル)

なるほどな、で、どうする?


(騎士団団長:女)

どうするって、どうする気だ。


(ナギサ・イシュタル)

救出か?介錯か?本人達に聞いたらどうだ?

精神的ダメージから日常生活が送れるかどうかも分からん、周りの目もある、本人達の希望に添う。


(騎士団副団長:女)

救出に決まってるだろ!


(ギルマス ゲイナ)

なら、コイツらにオークの苗床にされた事を一生抱えて生きろというのか?

周りの目もある、騎士団様が責任を取ってくれるんだな。


(騎士団副団長:女)

うぐぐっ……


(ナギサ・イシュタル)

本人達に聞いたらどうだ?

後、死体は焼いて骨を持って帰る、だな。


(ギルマス ゲイナ)

あゝ、できるだけ内密にしてやりたい。

素性がバレると親族に影響が出るかもしれんからな。



それから騎士達が様子を見て回った。

廃人になっているのは、もはや反応がない。

他にも殺してくれと懇願するのも居る。

数名は救出を願い出た。

その者達は救出された。


(ナギサ・イシュタル)

良いのか?


(ギルマス ゲイナ)

あゝ、やってやってくれ。

騎士団も異存はないな。


(騎士団団長:女)

あゝ、残念ながら異存はない。

しっかり見届けよう。


(ナギサ・イシュタル)

なら、骨にしよう。

皆の者、さらばだ。

天に召されて幸せにな。

 【ハイファイア】



苦痛を与えない為に一瞬で燃やし、骨にした。

おそらく本人達は先に言われてなかったら、気がつかないだろう。

ナギサのせめてもの気遣いだった。


(ナギサ・イシュタル)

終わった。

骨を回収しろ、一本も残さずにな。


(騎士団団長:女)

あ、あゝ、分かった……



騎士団の手で一本残らず回収された。

ナギサも念の為、魔法で確認した。


(ナギサ・イシュタル)

では、戻ろうか。


 

ナギサ達は街へ帰還した。

この事は街長に報告されたが、ナギサの事は内密にという事で報告されなかった。


(ナギサ・イシュタル)

おかしいな……仲間が見つかるはずなんだが。

ひょっとしたらオーク討伐で合流かとも期待したんだけどな……(ボソっ)


(アンネ)

どうしたんです?ナギサさん。


(ナギサ・イシュタル)

いや、なんでもない。



しばらく滞在して冒険者ギルドに通う事にしたナギサ。


(アンネ)

見つかるはずのお仲間の事ですか?


(ナギサ・イシュタル)

そうだ、しばらく様子を見てから次へ行く。


(アンネ)

分かりました。



しばらく街と魔動コテージを行き来するナギサとアンネ。


(ナギサ・イシュタル)

今日は中吉家の牛丼特特盛りと牛皿の特盛り、卵2個、お新香、味噌汁、紅生姜といこう。


(アンネ)

私、牛丼の特特盛り、お新香、味噌汁、紅生姜です。



"無限通販"大活躍だな、おい。

たまには作ってみんのか?この世界の食料で。

何日か過ぎたある日。


(ナギサ・イシュタル)

彼奴ではないか?


(アンネ)

誰です?


(ナギサ・イシュタル)

あのダークエルフの弓使いだ。

しかし、レベルが低いな。


(アンネ)

そうなんですか?


(ナギサ・イシュタル)

レベル100だ。


(アンネ)

一応、カンストしてますよね!


(ナギサ・イシュタル)

そうなのか?


(アンネ)

そうですよ!ナギサさんが異常なんです!

レベル100は普通は最高到達点です。


(ナギサ・イシュタル)

しかし、登録時に水晶が割れるのは、カンストレベル999と言ってたではないか?


(アンネ)

神話やお伽話、英雄譚の世界で、です。

ナギサさんのレベルは今、どうなってるんです?


(ナギサ・イシュタル)

余か?

 【ステータス】


(アンネ)

また上がってるうぅぅぅっ!

レベル5050、もう異常ですよ!

なんで上がるんですか!


(ナギサ・イシュタル)

さあな。


(ナギサ・イシュタル)

声をかけてみるか。



そう言うと、弓使いのダークエルフに声をかけに行った。


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ゲームの世界に転生した なぎさセツナ @setsuna_tereshia

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