第2話 冒険者ナギサ・イシュタル

覇王らしい格好をして街に向かうナギサとアンネ。


(メイド アンネ 女 エルフ)

一応確認ですが、お金持ってますよね?

ギルドカードが無ければ街に入るのにお金要りますよ?


(ナギサ・イシュタル)

えぇぇぇっ!!!(驚)


(アンネ)

当たり前ですよ!

私、お金無いですからね。


(ナギサ・イシュタル)

なら、其方の身体を売れば良い。


(アンネ)

嫌ああぁぁぁっ!(涙目)


(ナギサ・イシュタル)

大丈夫だ、余ではない。


(アンネ)

どこがですか!

分かりましたよ、払えば良いんでしょ。


(ナギサ・イシュタル)

あるではないか。


(アンネ)

普通、覇王様が用意しません?


(ナギサ・イシュタル)

従者が払うものだろ。


(アンネ)

用意してくれたので、従者が払うんです!


(ナギサ・イシュタル)

まぁ、良いではないか。

貸してみろ。


(アンネ)

返してくださいね(涙目)



ナギサは受け取ると、"錬成"で20倍にして返した。


(ナギサ・イシュタル)

これで文句は無かろう。


(アンネ)

通貨偽造!!


(ナギサ・イシュタル)

本物だ、使ってみよ。


(アンネ)

は、はぁ……



順番が来た。


(アンネ)

これから冒険者登録をするので、冒険者カードは無いです。

二人でいくらですか?


(門兵:男)

は?二人?一人だが?


(アンネ)

えっ?


(門兵:男)

まぁ良い、銀貨1枚だ。


(アンネ)

は、はぁ……



銀貨1枚を払って街の中に入るアンネ。


(アンネ)

ナギサさんはどこ?


(ナギサ・イシュタル)

ここだ。



いきなり背後から声がした。

振り返るとナギサが居た。


(アンネ)

えっ?えぇぇぇっ!!!

どこに居たんですか!


(ナギサ・イシュタル)

ずっと其方の後ろだが。


(アンネ)

さっき居ませんでしたよね?


(ナギサ・イシュタル)

"隠密魔法"を知らぬのか?


(アンネ)

タダで通過!


(ナギサ・イシュタル)

良かろう、問題はない。


(アンネ)

ありますよ!バレたら投獄ですよ!


(ナギサ・イシュタル)

其方がか?


(アンネ)

なんでですか!(涙目)



ギャァギャァ言いながら冒険者ギルドに行く。


(アンネ)

冒険者登録をお願いします。


(ギルド職員 女 兎獣人)

ではこちらに記入してください。



名前と職業を書くナギサとアンネ。


(アンネ)

職業"覇王"ってバカですか!

大騒ぎになりますよ!


(ナギサ・イシュタル)

ならば何と書く。

 

(アンネ)

貸してください。



アンネはナギサの職業を"魔道士"と書いた。

受付けに持って行くナギサとアンネ。


(ギルド職員 女)

ナギサ・イシュタルさんとアンネさんですね。

では水晶にてをかざしてください。


(アンネ)

はい。



アンネはレベル3、火魔法と水魔法、風魔法、土魔法と出た。


(ギルド職員 女)

く、クワトロ属性!

しかしレベルが……生活魔法レベルですか……

惜しいですね。

レベルアップしたら、引っ張りだこになりますよ。

次、ナギサ・イシュタルさん。


(ナギサ・イシュタル)

余か?良かろう。



レベル1、属性無しと出た。


(ギルド職員 女)

・・・は?


(ナギサ・イシュタル)

なんだ?


(ギルド職員 女)

これで冒険者?貴方死にたいんですか!

レベル1、属性無し、なれるわけ無いでしょう!!


(ナギサ・イシュタル)

目立ちたく無いんだが……


(ギルド職員 女)

充分目立ちますよ!死にたがりのバカが居るって!


(ナギサ・イシュタル)

なら仕方ない。



もう一度、手をかざすナギサ。


(ギルド職員 女)

ぜ、全属性、レベル300!

Sランクの冒険者でもレベル100ですよ?

この水晶、壊れてます。

ちょっと待っててください、新しいのを持ってきます。



そう言うと新しい水晶を取ってきた女ギルド職員。


(ギルド職員 女)

もう一度、お願いします。



水晶に手をかざすナギサ。


(ギルド職員 女)

やっぱり、レベル100、Sランクですね。

属性は……全属性……これは一緒なんだ……

えっ?初心者登録でしたよね?


(ナギサ・イシュタル)

そうだが。


(ギルド職員 女)

えぇぇぇっ!!!



もう一度、手をかざすナギサ。


(ギルド職員 女)

レベル10、全属性……

どうなっているの?


(ナギサ・イシュタル)

さぁな。


(ギルド職員 女)

ちなみに隠蔽は冒険者登録抹消の上、追放ですが?


(ナギサ・イシュタル)

仕方ないなぁ。



ナギサは水晶に手をかざした。

パリンと水晶が砕け散った。


(ギルド職員 女)

・・・は?


(ナギサ・イシュタル)

なんだ、脆いな。


(ギルド職員 女)

えっ、えぇぇぇっ!!!

レベル999、お伽話のフルカンストしないと砕け散らないんですよ、この水晶!!


(ナギサ・イシュタル)

ならばレベル10で頼む。


(ギルド職員 女)

そんな事、出来るかああぁぁぁっ!!



ナギサは超越者として登録された。


(ギルド職員 女)

こ、これがギルドカードです。

身分証になります。

これでどの町でも行き来できます。


(ナギサ・イシュタル)

分かった、手間を取らせたな。


(ギルド職員 男装 エルフ)

ぎ、ギルマスがお呼びです。

2階へ……


(ナギサ・イシュタル)

断る。



そう言うと、姿が見えなくなった。


(ギルド職員 女)

て、転移魔法?!


(アンネ)

あ、あのう、私は帰りますね、あはは(汗)


(ギルド職員 男装)

いえ、貴方も残ってください。

パーティーですよね。

パーティー登録された場合、理由なく個別行動はできません。

必ずギルドに報告義務がありますので、必ず戻ってくる必要があります。


(アンネ)

いえ、私、パーティーじゃないです。


(ギルド職員 女)

使えねぇ〜(ハッ!)


(アンネ)

酷い!(涙目)



追い出されるようにギルドから出るアンネ。


(ナギサ・イシュタル)

遅かったな。



出口の外壁の所に居たナギサ。


(アンネ)

そんな所に居た!!


(ナギサ・イシュタル)

其方は余の従者だからな。


(アンネ)

解放してくれません?


(ナギサ・イシュタル)

構わぬが。



そう言うと剣を出すナギサ。


(アンネ)

いえ、是非従者で居させてください、よろしくお願いします(涙目)


(ナギサ・イシュタル)

そこまで言われたら仕方ないな。



剣を収納したナギサ。


(ナギサ・イシュタル)

さてと、これからどうすかな。


(アンネ)

普通はギルドでクエスト受注か宿探しですよね。


(ナギサ・イシュタル)

宿は持っておる。

ならばクエスト受注といこう。


(アンネ)

何をやるんですか?


(ナギサ・イシュタル)

薬草採取だ。



ガン!

アンネは地面で頭を打った。


(アンネ)

なんでカンストしてるのに"薬草採取"なんですか!


(ナギサ・イシュタル)

基礎は大事だ。


(アンネ)

そりゃそうですけど……


(ナギサ・イシュタル)

という事で、クエスト受注してきてくれ。


(アンネ)

わ、私?!


(ナギサ・イシュタル)

其方以外に誰が居る。


(アンネ)

今、行ったら殺されますよ!


(ナギサ・イシュタル)

大丈夫だ、余ではない。


(アンネ)

んがああぁぁぁぁぁっ!



アンネは仕方なくクエスト受注に行った。

受付から白い目で見られ、職員からは舌打ちされて出てきた。


(アンネ)

私、何も悪い事してません(涙)


(ナギサ・イシュタル)

まぁそう気に病むな。


(アンネ)

人事ですもんね!


(ナギサ・イシュタル)

分かってるではないか。


(アンネ)

ぎゃあああぁぁっ!



ナギサ達は薬草採取をした。

移動はパジロ。

早速ポチッた。


(アンネ)

なんですか?これ!


(ナギサ・イシュタル)

移動の足だ。


(アンネ)

馬車、じゃないですよね……


(ナギサ・イシュタル)

まぁ、そんな物だと思えば良い。



パジロを軽快に走らせるナギサ。


(アンネ)

街に来る時は飛んで来ましたよね?


(ナギサ・イシュタル)

魔法を使ってみたかっただけだ。


(アンネ)

さいですか……


(ナギサ・イシュタル)

どの程度使えるかは確かめる必要があるだろう。


(アンネ)

たしかに……



薬草採取を終えると、ギルドに戻ってきた。

雑な扱いを受けていたが……


(ギルド職員:女)

えっ?"ストレージ持ち"?


(アンネ)

あの、ナギサさんが……


(ギルド職員:女)

一緒なの!


(アンネ)

いつ捨てられるか分からないけど(涙目)


(ナギサ・イシュタル)

捨てぬがな。

其方は余の従者ではないか。


(アンネ)

ホントですか!


(ナギサ・イシュタル)

捨てて欲しいのか?


(アンネ)

嫌です、ついて行きます!


(ナギサ・イシュタル)

で、換金は終わったのか?


(ギルド職員:女)

い、今やります!



慌てて換金する女ギルド職員。


(ナギサ・イシュタル)

では、行くか。


(アンネ)

は、はい!


(ギルド職員:女)

待ってください!お願いがあるんです!


(ナギサ・イシュタル)

まぁ、頑張れ。


(ギルド職員:女)

いや、真面目にお願いがあるんです!


(アンネ)

ナギサさん!


(ナギサ・イシュタル)

はぁ……その"お願い"とはなんだ。


(ギルド職員:女)

実は……

近々スタンピートが起こるのではないかと言われています。


(ナギサ・イシュタル)

近々?言われています?


(ギルド職員:女)

そうです。

兆候と言われたら、まだなんとも……

しかし、過去の記録によると、近々起こっても不思議じゃないんです。

だから兆候が無い分、不気味なんです。



そう言えば、このゲーム、"無限ワールド オブ タンク"では、いきなりそういうイベントがあった。

通常、カンストするのはレベル100で終了なんだが、続きがあり、それを選ぶと装備も持ち物も全てそのままレベル100からスタートできる。

100刻みで終了し、同じ条件で再スタートする。

このゲームの本当のカンストはレベル999、それまでに10周するのだ。


(ナギサ・イシュタル)

そんなイベントあったな。

レベル500からはなんとかクリアできた。

それまでは、挑んでは次の地点から死に戻りでアイテムが手に入らない。

ここで手に入るのはURの神剣だったな。

しかし、もう5本も持ってるしな、結局売れないアイテムだし、仲間にも装備できなかったな。

6ってボクには縁起の悪い数字なんだよな。

だから持ち物で6って無いんだよ。

必ず5か7以上にしてるんだけどな……(ボソっ)


(ギルド職員:女)

超越者様、どうか力を貸してもらえないでしょうか?


(アンネ)

もちろん、ち……


(ギルド職員:女)

アンタには聞いてないよ!(ハッ!)


(アンネ)

すみません(涙目)


(ナギサ・イシュタル)

うーん……しかし、いつ起こるか分からないのではな。

余は仲間を探しておる、いつまでも居れぬがなぁ……


(ギルド職員:女)

なら、明日、起こします!明日なら大丈夫ですよね!


(ナギサ・イシュタル)

どうやって起こすんだよ!怖ぇ〜よ!


(ギルド職員:女)

留まってくれたら、もれなく私が付いてきます!


(ナギサ・イシュタル)

要らぬ。


(ギルド職員:女)

えぇぇぇっ!!!

なんでですか!あんな事やそんな事、姦りたい放題ですよ?

靴も舐めますし、アソコもそんな所も舐めますよ?


(ナギサ・イシュタル)

だから要らぬ。


(ギルド職員:女)

酷い!まだ15のピチピチの生娘ですよ?


(ナギサ・イシュタル)

犯罪だろ!(ため息)


(ギルド職員:女)

初めてを捧げるんですよ?

何が不満なんです?


(ナギサ・イシュタル)

お前な(ため息)


(ギルド職員:女)

ギルマスみたいな行き遅れのババアは嫌ですよね?

若い方が良いですよね?

可愛いだけじゃぁ〜ダメですか?


(ギルドマスター:女)

誰が行き遅れのババアだ?(冷たい目)


(ギルド職員:女)

うるさい!今、必死なんです!あっ……


(ギルドマスター:女)

良い度胸してんな、ミア(怖笑)


(ギルド街クナン ギルド職員 ミア:女)

いえ、その、えーっと(怖)


(ギルド街クナン ギルドマスター エレン:女)

オレはここ、ギルド街クナンのギルマスをやっているエレンだ。


(ナギサ・イシュタル)

新人冒険者のアレンです。


(ギルド職員 ミア)

えっ?嘘です!超越者のナギサ・イシュタル様です!


(ギルマス エレン)

ほう、どっちが本当だ?(ニヤリ)


(ナギサ・イシュタル)

余だ、余の名前はエレナ・ガイン。


(ギルド職員 ミア)

さっき、アレンって言いましたよね!


(ナギサ・イシュタル)

細かい事は気にするな。


(ギルド職員 ミア)

細かくありません!非常に大事な事です!(涙目)


(アンネ)

ナギサさん!


(ギルド職員 ミア)

ほら、そこの金魚の糞がナギサって。


(アンネ)

金魚の糞!(涙目)


(ギルド職員 ミア)

先ほど登録した中で、"ナギサ"と付く人は、超越者ナギサ・イシュタル様、貴方だけです!


(アンネ)

ナギサさん!


(ギルド職員 ミア)

ほら、ナギサ・イシュタル様じゃないですか!

そこの腰巾着のゴミも言ってるじゃないですか!(涙目)


(アンネ)

腰巾着のゴミ(涙)


(ナギサ・イシュタル)

仕方ない、話だけでも聞こうか。


(ギルド職員 ミア)

ありがとうございます!(嬉)

近々ですね……


(ナギサ・イシュタル)

記録によれば、スタンピートが起こる。

ただ予兆がないので不気味だ。


(ギルド職員 ミア)

そうです!


(ナギサ・イシュタル)

頑張れ!(優しい目)


(ギルド職員 ミア)

んがああぁぁぁっ!!


(ギルマス エレン)

冒険者登録をしたのなら、ギルドの緊急依頼はよほどの事が無い限り、受ける義務がある。

もちろん金は払う。


(ナギサ・イシュタル)

なら、冒険者登録を抹消しよう。


(ギルド職員 ミア)

それだけはやめてください(泣)


(ナギサ・イシュタル)

嘘だ。

話は聞いた。

なら協力する事はやぶさかではないやもしれん。

前向きに検討しようではないか?と思ってみたりするかもしれん。

善処してみる価値はあると考えてみるのもアリだと判断するやもな、分からんが。


(ギルド職員 ミア)

それ、遠回しに断ってますよね!


(アンネ)

ナギサさん!


(ギルド職員 ミア)

もっと言ってくれ!クソ巾着


(アンネ)

クソ巾着!(涙)


(ナギサ・イシュタル)

余興だ。

協力しよう。


(ギルド職員 ミア)

やったああぁぁぁっ!!


(ナギサ・イシュタル)

ミアと言ったな。


(ギルド職員 ミア)

はい!(嬉)


(ナギサ・イシュタル)

露払いをたのんだ。

特攻の栄誉を与えよう(ニヤリ)


(ギルド職員 ミア)

えっ?………………えぇぇぇっ!!!

し、死ぬ、死んじゃう、死んじゃいますよぉ〜!!(涙)


(ナギサ・イシュタル)

逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!


(ギルド職員 ミア)

逃げます!嫌です!殺さないでください!(泣)


(ナギサ・イシュタル)

案ずるな、余なら生き返らせる事も可能だ。


(ギルド職員 ミア)

ホントですか(涙)


(ナギサ・イシュタル)

おそらくな。

やった事は無いが。


(ギルド職員 ミア)

絶対って言ってくださいよぉ〜!!(泣)


(ナギサ・イシュタル)

絶対だ!


(ギルド職員 ミア)

ホントですか?(涙目)


(ナギサ・イシュタル)

貴様がそう言えと言ったではないか(ため息)


(ギルド職員 ミア)

そうじゃなぁ〜い!!(流涙)



散々おちょくったので、引き受ける事にしたナギサだった(笑)


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