僕と地獄と少女
アマイシオ
第1話
うらやましい。妬ましい。
そんな言葉であふれた人間。
こんな人間でも彼女に許してもらえるだろうか。
僕はダメな人間です。
生きている価値もないような、そんな人間です。
でもダメな僕の人生でも唯一誇れるものがございます。
彼女との出会いです。
彼女は×××と名乗りました。
その名前が本名かどうかはわかりません。
僕は彼女を全て信じたいと思うのもやまやまですが、今回はすべて真実でありたいので。
×××と出会ったのは雨の日でした。
僕は落ちようとしていました。
高いところからなら地獄へ行けるような気がして。
今いる場所が僕にとっては甘すぎたんです。
優しい両親、仲のいい友人。
これ以上ないほど人間性が高い周りに囲まれていると、僕は…罪悪感とでもいうのでしょうか。羨ましいとねたんでしまうのです。
こんな人間を周りにおいてしまうと、僕の周りの人が汚れてしまうとそう思うのも不自然じゃないでしょう。
おかしいことだと…あなたはそう言うのですね。
きっとあなたは僕よりずっと真正な人間だ。
そういうところも羨ましいと思います。
話がそれましたね。
屋上へ上り、しばらく僕は茫然としておりました。
先日の下見では何もなかった屋上には、きちんとした金網フェンスが取り付けられていました。
あぁ、僕は地獄にもいけないのだと。
苦しさのあまり呆然としておりました。
その時です。彼女が声をかけてきたのは。
「お兄さん暇ー?良かったらアタシとイイコトしない?」
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