転生したら最強になって成功すると聞いて。

@LIGHT-MOJI

第1話 嫌悪感は無い。

 18年間、ボーッと過ごしていた。普通に過ごしていたら、事故で死んじゃいました。


「いや嘘だろ!?」


 周りを見渡して思ったことが一つ。


「……どこ?」


 緑だ。見渡す限りの緑。都会までは行かない僕の実家周りにもこんな森は無かったはず。


「最初で述べた通り、僕は死んだ……つまり、ここは異世界?」


 ここで一つ、異世界あるあるを実行しようと思う。


「ステータス!」


 さぁ、表示されるか?


――――――――――――――――――――

猫山 湊斗 Lv1 SP:220

体力:4/4

魔力:3/3

持久力:3/3

攻撃力:2

防御力:2

スキル【取得経験値量倍増Ⅰ】【取得SP倍増Ⅰ】

称号【異世界からの渡り人】

――――――――――――――――――――


 目の前に青色の四角形のウィンドウが現れ、それに目をやると、色々な情報が頭に入った。


「いっくらLvが低いからって弱すぎない?」


 まぁ、独り言はこれくらいに、と心で言いながら歩き出す。


「SP……あー、スキルポイントの略か」


 五秒後にはもう独り言を言うのだが、これはもう癖だから周りに人がいない限り止められない。

 暇だからウィンドウを弄っていると、スキル取得所という所に辿り着いた。


「SPを消費してスキルを獲得します。か」


 そこにあったのは【火属性魔法】や【水属性魔法】と言った王道から、【不死ヲ従エシ者】なんて聞いたことも無いようなスキルまで並んでいる。

 その中で見事俺の目を引いたスキルはと言うと。


「【広範囲同時攻撃】か。シンプル故の強さがありそう。消費SPも200で足りる……」


スキル【広範囲同時攻撃Ⅰ】を取得しました。


 考えるよりも先に体が動いていた。


「例えばこれで気を殴ると……」


 近くにあった気を殴る。すると、周りの木も揺れた気がした。


「……強いんじゃないか?」


 その時、唸り声が聞こえた。獣でも人でもない。顔を向けると緑色の小人が立っていた。


「ゴ、ゴブリン!」


 そのゴブリンは例に漏れず群れで行動していた。数は六。

 正直怖い。武器も防具も魔法も無い僕がゴブリンを倒せるか分からない。負ける可能性の方が高いだろう。


「か、かかってこい!」


 そこら辺にあった丈夫そうな木の棒を広い、構える。


「これでも小中学生の頃は一、二を争うくらいには喧嘩が強かったんだぞ!」


 飛びかかるゴブリンをなんとか避け、木の棒で殴る。頭を、何度も。


「……案外、嫌悪感は無いな」

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