第26話 可愛いお顔の真実はいかに。

……はぁ、キス、、、気持ち良かったなぁ♡。


出来るだけ考えないようにしても、思わず口角は上がるしニヤけてしまう、全身から幸せが溢れてしまう。


だって春くんとキスできたんだよ!?嬉しいに決まってる。……でも、キスまでしてしまうと逆に欲が出てしまう。


あの先がしたい、春くんをもっと感じたい。でもそれはきっと、春くんが許してくれない。


『そういうのは、結婚とかしてからでしょ!』


春くんは戸惑ったり、照れたり、色んな感情が混ざって可愛い顔になるんだろうなぁ。

……ほんとどこまでも純粋で可愛い春くん、



春くんに会いたいからと、両親に無理を言ってまたここに戻って来れたんだ。


高校生になった、春くんが過去を受け入れた、

春くんが私を思い出した、高校生の間でやろうとしてた事がこんなに早く終わった。



高校になっても、アイツらは帰って来なかった。まだ大丈夫だとか高を括ってるのだろう。

流石に今のこの状況も知られていない。


今しかない絶好の好機、春くんとの関係をより強固なものにしたい。だからあんな事をした。


……正直、キスまでいけたのは司、、、天内司あまない つかさの存在が大きい。


春くん、小さい時は男子の友達がいないから、

よく女子、というより、私たちと遊ぶ事が多かった。


小さな春くんは素直で、年長の司さんの言う事をよく聞いていた。……そのせいか春くんは貞操観念が緩い。


さっきのキスもそうだ、した事に対して抵抗があまりにも無さすぎた。少し叱るくらいで終わらせた、司の価値観がそのまま春くんに表れている証拠だ。


春くんが司に染められていると感じると腹立たしいが、恩恵を受けている以上何も言えない。



……どうせ、春くんは私のなんだから。




「お兄ちゃん!聞いてるの!?」

「んっ?きいふぇうっふぇ。」

「食べながら喋らない!」

「ふぁ〜い」


碧が帰って二時間程経っただろうか、夏樹と机を囲みご飯を食べている。


今日も美味しい!兄として鼻が高いよ、将来は料理人もいけるなうちの子。


「お兄ちゃんキスされたんだよ!?

む•り•や•り!」

「……わ、分かってるって。」

「分かってない!」


かれこれ一時間はこれ、夏樹は一度説教モードになるとしばらくは戻らない。


反省はしてるし、碧も叱ったけどなぁ。


「そんなに言わなくても大丈夫だよ、碧ちゃんにはちゃんと言ったから。」

「あのねぇ、その碧ちゃんのせいでヤバいかもなんだよ!?」

「ヤバい?なにが、」

「あっ!いや、なんでもない、、、」


えっ、何その顔、絶対なんかあるやつじゃん。


「ともかく!お兄ちゃんはもっと危機感持った方が良いの!」


そんなジョ◯ジみたいなこと言われても、、、

厳しいのかな?俺、


「分かったから、ほら、ご飯食べよ?」

「分かってないぃ、むぅぅ、」


悔しいのか怒ってるのかよく分からん感じだけど、ちょっと半泣きで頬を膨らませる仕草がなんとも愛らしい。


「ごめんごめん、もうあんな事にはならないよ」


泣きそうになる妹を見て、思わず手をポンっと頭に添えてしまう。兄の性ってやつだ。


「……これも、碧ちゃんと那佐美波にやってた」


可愛いなぁ、妹はいつまでも可愛い。てか碧はともかくなんで美波のも知ってんの?もしかして

毎回見てんの?


「妹にやるなでなでは別腹だよー、」

「……」


適当な事を言うようだが、本当のことだ。両親がいない今、俺が夏樹の頼りだったり心の拠り所にならないといけない。


……いっぱい迷惑もかけちゃったしな。


「じゃあ、許す、その代わりこのまま寝るまで

離さないでね?」

「摩擦で俺の手と夏樹の髪無くなるよ?」

シュッ

「イデッ!ごめんって」


どつかれた。女の子に髪無くなるはダメですよね、すいませんでした。




◾️


「今週末はついに修学旅行!楽しむぞー!」

「「「おぉー!!!」」」


テスト返しも終わり、クラスはもう修学旅行しか眼中にないパーティータイム突入中だ。


班はすでに決まり、前の話し合いで行くとかも決まった。うちの班は美波の気遣いで学人の班と合流する事が決まった、天使に感謝を。



「柏村くん、修学旅行楽しみだね!」

「あ、あぁ、そうだね。」


昨日の今日でよく来るなこの人。神田さん、俺の顔面でも揶揄いにきてるのかな?にしては顔については『見せて〜』としか言われてないな。


もしくはあの打ち上げ事件で解散してくれたのか!?ぼっちな俺を憐んでいるのか!?

余計なお世話だ、ありがとうございます!


「……春、今日一緒に帰れる?」

「ん?大丈夫だけど、」

「えぇ〜、美波ちゃんと柏村くんってそう言う感じ?」


どういう感じかは聞かないでおくけど、やっぱり苦手だわこの人、他人の心にズカズカ踏み込んでくる感じが嫌なんだよな。





「なんか暑くなってきたよな、」

「そうだね、夏が来たって感じ。」


学生の帰り道って感じで、駄弁りながら帰路に着いている。


「そうだ、今日はなんか用あったの?」


美波が一緒に帰ろうとするのは珍しくないが、事前に確認してくるのは初めてだ。いつもは気づいたらいるし、


「うん、春についてなんだけどね?」

「お、俺?なんかしたっけ、」


美波に何か言われるような事は心当たりにないな。


「……神田、あれには優しくしなくて良いからね?」

「えっ?」


なんか、、、色々とびっくりだけど、まず美波は神田さんのこと『あれ』呼ばわりだっけ?まぁまぁ

親しそうな雰囲気だったのに、


「あ、あれって……神田さんとは仲悪いの?」

「別に?春がいてくれたらそれでいいだけ、」

「なんだそれ、プロポーズかよ〜、」

「そう捉えても良いよ?責任は伴うけどね、」

「……」


軽い冗談のつもりだったんだけど、思ったより

ガチめだった。話がズレたな、いち早く戻そう。


「で、でもさ、神田さんと何かあったはあったんじゃない?相談とかあるなら……」

「春?春は自己評価が低すぎるし、優しすぎるし、良いとこなんだけどそろそろ自覚持ってね?」


なんの?


「あの女は春の顔目当てってこと!」

「か、顔?よりにもよって俺の?」

「ほらでた!それだよ!」


無意識だったが、なんか出たらしい。なにがだよ


「春の顔はね?めッッッちゃくちゃに整ってるの。」

「整ってる?」

「それはもう、整いまくってるよ。」


そんなサウナおじさんみたいな、、、



整いまくってる?そういえば、顔が格好いい系じゃなくて可愛い寄りってだけで、そこは気にしてなかったかも?


もしかして、


「お、俺って顔良いの?」

「うん、なんなら春は気付いてないだけで、

イケメンの部類でもあるよ?」

「そ、そんなにお世辞言われても何も出ないぞ?」


い、イケメン?俺が?言われたことなかったけど、うれし!


俺の脳内リピート機能がここに来て役に立つぜ。


「じゃあもう髪切ろっかな?」

「ダメだよ?」


なんか当然のように断られた、流石に切るつもりはなかったけど。


「自覚を持てっていうのは春は充分モテるから気をつけて欲しいってことなの、」

「ほう、」

「そこら辺の女と付き合うくらいなら、私を選んでね?」

「……」


美波も最近俺への好意?が隠せてなくない?

気のせいじゃないならほぼ告白だよこれ、


俺は恋愛したいけど、いざ言い寄られると日和るタイプなんだなって事が分かった。


夏樹によると俺に好意を抱く子はもう何人かいるらしい、……全員美少女だったら俺は浮くな。




────────────

そろそろ新しい子出したいんですけどね、中々

出る場面がない、、、次回はキャラ紹介挟んでから

修学旅行に出発です!


あんまり言えてなかったんですけど、♡や⭐︎が沢山付いていてとても励みになっています!

pvも4万突破どころか5万いきそうでめっちゃ嬉しい!僕も頑張って書きます!

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