インド神話、ヴェーダ世界の物語
インド神話の神々は、モンスーンと地形、遙かな峰から広大な平野、そして密林と湿地、豊かで凶暴なガンジスの流れと大洋……循環し、円環する季節と地形を体現する彼らは、永遠を戦っている。
戦いのなかに生まれるのは鮮烈な憎しみと、深い愛惜で、それは円環し、循環する世界で永遠に戦い続けなければならない彼らとしてみれば、当然の愛憎であろう。
本作では、策略によってインドラの力を封じたナムチと、機知によってそのナムチの首を落としたインドラの物語である。
ナムチは首を落とされてもなお生きており、インドラはナムチを倒してもその力を取り戻せなかった……そこからふたりの奇妙な道行きが始まる。
ナムチは首を落とされたとはいえ、インドラを憎んでいるわけではないようだ。
そしてインドラもまた、不遜な好敵手である(あった)ナムチを、礼節をもって接する。
その神々の関係は、とても魅力的である。
そして本作はこの奇妙なコンビの道行きに留まらない。
仕組まれた陰謀の影を察知し、あるべき世界を取り戻す戦いに身を投じることになる!
その戦いの帰結については是非、本作を読んで確認してほしい。
そして本作のもうひとつの魅力は、明るいエロス、まっすぐな愛情表現であろう。
シーンはすくなめではあるけれど、インドラが奥さんといちゃいちゃしたい、できないと困る、と悩むとき、インド神話のテイストがよく出ていて、よい感じです。
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