ことばの毛布

夜虹

ひとりじゃなかった

自分ってなんだろう?


自分の手、自分の顔、自分の足、自分の心臓…

どれも自分の何かであって、自分自身ではない。


何もない世界にポンっと一つのものが生まれた。

その生まれたものは一つだけだから、他のものと比較ができない。

だから、自分の存在に気づけないだろう。


ポンっともう一つ新しいものが生まれた。世界に二つの存在。

そうしたら、もう一つのものがあることで、自分の存在を認識できるようになった。


そうか、自分と自分の「からだ」は別の存在だったのだ。

生まれながらに自分と自分の「からだ」は一緒だったから、気づかなかったけれど。


私はいつも一人ではなかった。どんなときも「からだ」が一緒に寄り添ってくれていた。

なんて素晴らしく愛おしい存在なのだろう。


こめんね。それをうっかり消してしまうところだった。


あなたも私も一人ではないよ。いつも寄り添ってくれる「からだ」がいることを忘れないで。

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