希望へのチケットを掴み取れ!

@kyu-hi

第1話

「藤田先生の娘に対しての冷たい態度のせいでやめることになった。藤田先生の評判SNSで見てみたら、結構酷かった。やっぱりみんなそう思ってるんだろうなぁ。」

この言葉をレッスンが終わった時に、ママ友たちが僕に聞こえないようにひそひそと話していた。俺は昔から耳がいいからはっきりと聞こえた。こういうことは昔からよくあったので、そういう言葉には少し、傷ついていた。厳しくしないと、みんなもちゃんとやっていけないと思うからそういう態度も必要だと思うけれど、僕には向いていなかったのかもしれない。

その二か月後、俺はつらくなってしまい、僕はそのダンススクールをやめた。退職届を出すためにスタジオに行ったが、上司は何とも言わずにさらっと終わった。だんだん先生はやめていって、経営危機なのになと思った。気分転換にダンススタジオ近くにある、ずっと気になっていたちょっとレトロな感じのカフェに行った。平日の朝頃だからか、人はあまりいなかった。席に座りメニュー表を店員さんからもらい、なににしようか迷っていると、後ろからトントンと肩を叩かれ、話しかけられた。

「ねぇ、君、礼音くんだよね?」

迷惑だなと思い、ふと後ろを振り返ってみたら、同じダンススクールに務めていた鬼先生で有名な、波村友也がいた。

「最近、飯とか食えてるか?元気なさそうだだけど。」

緊張しながらも僕は、

「大丈夫です……。何故波村先生はこちらに?」

彼は言うのを恐れてそうだ。

「言いたくなかったら……いいですよ。」

と僕はフォローのために言ったが、

「君には言いづらいと思って……。」

と返された。彼は決意をした顔で、

「実は……」

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