第2話 あなたとわたし
僕は自分の部屋にいた。
目の前には、知らない女の人がいた。
背の高い、綺麗な人。
その人は手に持っていた写真を僕のポケットに押し込んだ。
「……あれ、あなたは誰だっけ?」
その女の人は、知らない人は、寂しそうにくすくす笑った。
「知らないなら、優くん、それでもいいよ」
そう言って、彼女は少し俯いた。
なんで僕の名前を知っているんだろう。
いつ僕の部屋に帰ってきたんだっけ。
「あなたの全部が好きだった。あなたは生きてね。ずっと、生きていてね」
知らない人はそう言って、ふっと消えた。
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